アルマティ 1月5日

国境を越えてカザフスタンへ。
仲良くなった年上の日本人もいっしょにきた。
ビシュケクのバスターミナルで仲良くなった少年と手を振り合う。

小さなマシュートカは街を離れて北へ走ってく。銀杏のような黄色い広大な並木道のむこうには山脈がみえた。
南の山岳地帯と違って道はずっと真っ直ぐ。

国境でマシュートカを降りる。緑のコンクリートに囲まれたイミグレに並ぶ。
キルギスの出国スタンプが押されて、カザフスタンの入国スタンプが押される。
きっと国境の壁は旅人が思ってるよりずっと厚くて、もうキルギスの人たちに再会することはないんだろうな。

国境を越えてもカザフスタンのお金は持ってなくて、トイレ行きたい…海外のトイレはほとんど有料なんだよね。
トイレの入り口に見張りがいる…テキトーに誤魔化して走って入っちゃおうか?
入り口をうろうろしてるといっしょに来てる人がバナナをくれた。
ありがとう…恥ずかしくてトイレの金貸してって言えない。

バナナを食べながら、ぼーっとする。
カザフスタンは何処までも平原が続いてるなって思う。
トイレは我慢する。

夕方。
アルマティについたみたいで、だんだんと建物の密度があがってきた。
太陽が沈んで薄暗くなった街並みは殺伐としてて日本とすこし似てる。
窓の向こう、ちょうど予約していた宿がバスからみえてほっとした。小さな郊外の宿だったし情報もなかったから。

国境を越える旅はここまで。
いっしょに旅をしてきた人とはお別れ。ハグして別れる。
またね、いつか、どこかで会おうね。

ひとりになったさみしさと、視界が広がったような自由を感じる。
バスターミナルから宿にむかって歩いてく。

宿はおもちゃみたいな3階建ての家、かわいい。
おばさんも親切。部屋すごくあたたかいねって言ったらセントラルヒーティングだって言ってた。
何処かから温水を各家まで運んでるのかな?

荷物を部屋に置いて両替しに行った。
教えてもらった方角に歩いてくんだけど、殺伐とした街並みがどこまでも続いてる。永遠に続きそうで気が滅入ってくる。
歩いてるとタクシーのドライバーたちにつかまった。英語ってわかるとgoogle翻訳で会話した。
おせっかいなおじさん達は明るくて、こっちまで笑ってしまう。
中央アジアでは英語はほとんど通じなくてロシア語が共通語。旅してると英語が通じない国の方が多いなって思う。

けっきょくバスターミナルで両替した。
初めからココで両替してればよかったんだけどね。もっといいレートがあるかと思ってたから。
宿にもどって洗濯してるとおばさんが洗濯機を使わせてくれるし干してくれる。
ありがとう。おばさん達、ほんとに親切。

夜、近くのレストランでマンティを食べた。
量も多かったけどカザフスタンはキルギスより物価が高い気がする。

となりのテーブルでは赤ちゃんが何かを鷲掴みにして口に押し込んでた。
目が合うとお店のコが手をふってくる。
たくさんのクルマとアスファルトで汚いアルマティの街。
カザフスタンは旅の計画で来るつもりのなかった国。