カスピ海 1月25日
朝まで港の休憩室の硬いベンチで寝てたせいで、身体バキバキになってた。
それに寒くてあまり寝れなかったし。
カスピ海を横断するフェリーに乗船できたのは午後になってから。バックパックを背負って日差しのきつい港をとぼとぼと歩いてく。
埠頭には中央アジアを旅してきたクルマが並んでた。どのクルマもボロボロに汚れきってる。
きっと何千キロも旅してきたんだろうな。パミール高原を越えだり砂漠を越えたりして。
ほかの旅人たちとパスポートを見せ合う。
ふふっスイスのパスポートってかわいいよね。
部屋はドミで二段ベッドが並んでる。これは貨物船らしいけと、シャワーも食堂もあった。
甲板に出たら、船はカザフスタンの大地を離れてた。
広大なカスピ海をゆっくり出航。対岸はまるでみえなかった。
しばらくすると360℃の海原になった。湖だけど。
陽の沈んでく空を白いカモメの群れが追いかけてた。持ってきてたパンの欠片を空に投げた。
カモメ、ほら!キャッチ!
カモメはパンを咥えて飛び去る。