カルギリ 6月22日
宿のネパリのふたりと別れた。二人とも楽しくていい宿だったなって思う。でもwifiがなくてスクーターの延長ができなかったけど…
wifiのつながる場所を探さなきゃ。
インターネットはいいんだ、SNSも今はいいんだ、とにかく延長しないと犯罪者になっちゃう。
ニムー村にあった大きなホテルにもwifiはなかった。ホテルのおじさんに聞いたら、もっと向こうにあるRoadなんとかってホテルならwifiにつながるかも?って教えてくれる。
村を離れてスクーターで走ってると川沿いに近代的な建物をみつけた。それがそのホテルだった。
スタッフの人はデリー出身でインド中の宿で働いてきたそう。
昔はゴアでも働いてたみたい。
どこか疲れてる感じがする。
がっかりなことにそのホテルでもwifiはなかった。代わりに彼がスマホでアクセスポイントを作ってくれた。
彼が紅茶を淹れてくれる。
ホテルの壁にはTVが掛かっててドラマが流れてる。
そのドラマは露骨にパキスタンとムスリムが悪役の内容だった。
露骨な差別に背筋がヒヤリとする。
インド国内でこんなドラマを放送してるから、いつまでたっても紛争がおわらないんだよ…
インドのモディ首相は国内で露骨にヒンドゥ教を優先させていて、イスラム教や仏教を差別的にあつかってるって聞いた。
そのせいでインド国内のムスリムはひどい暴力を受けているという。
自分の保身のために国内の少数民族を差別する。そんな腐ったリーダーは彼だけじゃなかった。世界の戦争の歴史は差別を叫びたてるリーダーで満ち溢れていた。
道は真っ直ぐの平原になった。
標高4000mのカラコルムの大地にのびる一直線の道。
月の谷、この素敵な名前の土地はラマユールとも言われてる。
月の谷もラマユールもどっちも素敵な名前なんだけど。
崖の上に建つ大きなゴンパとふもとのちいさな町。月の谷ってぴったりだと思う。
それなりに観光客が多いみたい。崖の横の宿を聞いたらすごい安かった。インドで1000円しないのはかなり安いと思う。
でも、今日はもっと走りたかった。
チャイを飲んで休憩してまた山岳地帯を走り出した。
うねうねと曲がる道を走ってたら崖っぷちに掘っ立て小屋みたいなチャイハネをみつけた。
ボロ小屋でお爺ちゃんが一人でチャイを作ってくれる。
誰もいなくて椅子にすわってぼーっとする。風が吹くと入口に飾られた手作りの風車がクルクルとまわる。
時々巨大なトラックが通り過ぎてく。
きっと、この小さなボロいチャイハネはお爺ちゃんの全てで、彼の人生のほとんどなのかもしれないって思った。
旅は他の人の人生を一瞬で通りすぎてって、それはすごい我儘でひどいことな気がする。
川沿いの小さな村ムルベクには古い仏像がある。
その石窟の仏像は1000年ちかく前に創られたんだって。それってチベット仏教より古いから、ラダックでいちばん古いことになるのかな?
小さな食堂でおススメされたレモンウォーターを飲んだ。
食堂を経営してるおじさんはチベットから来たんだって。
私たちは日本人にすこし似ているよねって言われた。うん、すこし似てるけど…でもチベットの人たちの方が私たち日本人よりぜんぜん目が大きいと思うよ。
そういって笑った。
カルギリの街はレーみたいに大きかった。
夕方についてもうヘトヘトだった。
たまたま入ったホテルを値切って泊まらせてもらった。そのホテルのボスは若くて、私と話してても友達たちの前だと偉そうにしてる。
でも、ふたりきりになると急にキョドる。なんかかわいい。
部屋はとても新しくて綺麗でwifiも使えた。
近くのバザールでダルバートを食べてたら大学の先生となかよくなった。
ふたりで色々と話した。
ラダックのことや言語のこと。メールアドレスを交換してスクーターに二人乗りして、夜の街を帰った。