ギョレメ 2月25日
テーブルの上にいろんなチーズやジャムがならんでる。
パンにつけて食べるものばかり。
サラダとかスープもあればよかったんだけどな…
でも、たくさん食べれるチャンスもないから。いっぱい食べたらお腹が痛くなった。
街の中心にむかって歩いてった。
朝の田舎って感じで空が広いし、ここは観光客がすくないね。
バスのオフィスをさがしてせまい路地をうろうろ。みつけた小さなオフィスで買ったシワスまでのバスのチケット。
ホントは鉄道で行きたかったんだけど、夕方まで来ないみたいだし。
来るときなんて車両に2人しかいなかったんだよ。
バックパックを置かしてもらった。
この街にはトルコで最初の世界遺産のモスクがあって、それが丘の上にみえてる。
登るまえに売店でコーラを買う。
小さな広場を通って階段を登ってく。この街の静かな感じはすごく居心地よかった。
坂を歩いてると小さい子供がふたり手をつないで歩いてる。兄妹なの?
巨大なモスクは目の前にあるんだけど、どっから入るの?
木陰にいた2人のおじいちゃんが、だいじょうぶ、いけるよって手をふって指さす。
でも…これってもしかして工事中じゃないの?
だいじょぶ、だいじょうぶ、開けて入れるってジェスチャーしてる…
工事のとびらはチェーンでぐるぐるなんだけど。
しばらく鎖と格闘してたら、上の方から工事の人が今は入れないよーだって。
ほら、やっぱり工事中だった…
このモスクはとても旧いモスクなんだけど、何よりもすごいのが壁面に掘られたびっくりするほど立体的な幾何学。
彫られてるって感じじゃなくてパズルみたいに石が組み合わさってるようにみえる。
オーバーテクノロジーっぽい。
でも、工事で近くでみれないから背伸びして目をこらしてた。
モスクの丘のさらに崖の上に要塞がみえた。あそこまで行ってみようかな、ヒマだし。
丘をどんどん登ってくと要塞の手前に小屋があった。だけど、閉まってるよね。
うーここも入れない。でも、ほら、うしろ、景色がイイから。
崖に突き出た石にすわって眼下の街を眺めた。
空を一筋の白い飛行機が飛んでる。
どこへ行くんだろ?
ココはトルコの真ん中だけど、まるで中央アジアって感じで大地が続いてる。
遠くに雪をつもった山脈がみえる、でも遠いのかな、空気が澄み過ぎてて距離というかスケールがわからない。
ほんと広いよね、トルコも遊牧民族だったんだもんね。
広いと移動したくなるよね。
だからしばらく、ぼーっとしてた。
丘を降りて小さなチャイ屋さんに入った。おじさん2人がおしゃべりしてた。
ストーブで薪を炊いててあったかい。
チャイを淹れてくれる。ソファにすわって手を温めながら飲んでたら、砂糖菓子を乗せてくれた。
トルコの人たちはおおらかだね。
バスは雪原を走ってった。
シワスからカイセリまでバスを乗り換えて、さらにカイセリからギョレメに着いたときはもう夜になってた。
ディヴリーイ → シワス → カイセリ → ギョレメ って1日バスを乗り継いでた。
ギョレメには奇岩の街カッパドキアがあった。
夜なのにギョレメの街はライトアップされてる。
すごい綺麗だったけど、観光客がいっぱい…通りには土産屋さんや、高そうなレストランが並んでる。
そんな街を眺めてディヴリーイにもう一泊してればよかったかなって思った。
あの山の静かな街でチャイを飲みながらすごせばよかったかな?って思った。
宿はどこも高くてディスカウントできないし、ほとんどフル。
教えてもらった安宿は3000円もしたけど、なんとなく断りづらい雰囲気で、そこに決めてしまった。
お金で解決するのは、旅じゃなくて旅行っぽい。
夜ご飯はせめて安くしようと歩き回って、売店で小さなパンを買った。
夜のカッパドキアを歩いてるとトルコ石のお土産物屋さんの人に日本語で話しかけられる。痩せてひょろっとした人。
日本にいたことがあるみたいで日本語ぺらぺら。
私は何も買わなかったんだけど、なんか話しかたとかが合ってずっとしゃべった。
寒いのがつらいからギョレメには住んでないんだって。
日本に彼女がいて結婚迫られてるって。
なんか笑っちゃう。
もう遅くなってたから、明日お茶する約束をして別れた。
帰り道、バカみたいにいっぱいある奇岩のホテルに囲まれて迷子になった。
えっと…どこだっけ?
カッパドキアの複雑な地形は3000年前から軍事利用されてきてた。
言葉の意味は「美しい馬の地」