ゴア 11月12日

ハンピなんて知らないよ?キミはそこに行くの?
ゴアのカフェで氷の入ってないバナナシェイクを飲んでた時。
インドの秘境?
まだ日本人にはあまり知られてないんだって、いっしょに行こうよ
日本人の彼はそう言ってた。

だから、ハンピの名前はゴアにいる時ずっと気になってた。
きっと自分も行くんだろうな…
10日も何もしないでぼーっと過ごしてたゴアの海、誰もいない朝にバシャバシャと入ってった。
穏やかで温かいアランボールビーチも今日で終わりかな。
波に浮いて空をみる。

シャワーを浴びてバックパックに洗濯物を詰め込んだ。
残りのバンガローをキャンセルしたら、宿の人の少しがっかりした顔…急にキャンセルごめんね。
雰囲気の好きなバンガローでした…ヨガ教室もやってたし、他にも瞑想とかもいろいろレクチャーしてるみたいだったし。
Love Temple。もっとこの宿に早く気付けばよかった。

 

バイバイ、ゴア。
バスを待ってた。サリーをまとったインドの女の人たちと並んで道の横に立ってた。
サリーきれい。
マプサからハンピまでツーリストバスが出てるみたいだけど、もしなかったら州都パナジまで行って探すつもり。

露店のおじさんと話してるとバスがきた。後ろから乗ってきた欧米人は大きな黒い楽器ケースを持ってた。
ねぇ、なんの楽器?

 

 

鳴り響くクラクションと入り乱れる色鮮やかなバスたち、ぐちゃぐちゃに歩き回るインドの人たち。のんびりしてたビーチと違ってマプサの街は喧噪が凄くて楽しかった。

ハンピ、ハンピ、ハンピ行きのバス…
ターミナルに並んだツアーオフィスからハンピの文字をさがした。
ねぇ、バスまだ乗れる?
今日はフルだよ、明日の便だね
どれもフルだし、パナジまで行くしかないか…

横で話を聞いていたおじさん、ここならあるかもと引っ張って連れてってくれたツアーオフィスで今夜のバスが取れた。(1000ルピーぐらいだった気がする…)
18時にオフィス前に来いだって。まだ午前中だから6時間以上潰さなきゃだね。

 

 

朝ごはんも食べてないし、食事しながらのんびり時間を過ごそうって思うんだけど、ここはビーチじゃないからかな?のんびりできる場所がまるでない。
まわりは広大なマーケットになってるみたいで地元のインド人たちで賑わってる。
服を山積みで売ってる通り、アクセが並んでる通り、野菜を売ってる通り、たくさんの布、ものすごい活気。
ビーチで買ったTシャツやバングルが半額以下で売ってそうで怖くて値札は見れなかったけど。
それにしても暑いよ…11月なのに。
地元の青い壁の食堂に入って扇風機とコーラで涼んでた。

 

しばらく歩いてると地元の人たちで賑わってる食堂をみつけた。
ベジカレーで100ルピー(200円)。
ビーチの半額ぐらいで味もおいしい。欧米人もちらほらいて長期滞在者なのかな?もっとこういう地元の食堂に行っておけばよかったな。

 

豆カレーおいしかった。でも、食べ終わったのに18時までは3時間以上あるのね…
歩いてるとインドでは珍しいケーキ屋さんを発見。しかもエアコンが付いてる。
んー…
悩みに悩んでショートケーキを注文した。
生クリームじゃなくて甘くしたメレンゲを固めた感じだったけど。
ミルクティーを飲みながら外の喧騒からすこし離れてた…バスまではまだまだ時間がある。窓際でおじさんが新聞を読みながらチャイを飲んでた。

 

市場の1角で小さな子供がフルーツを売ってた。見てたらブドウを食べさせてもらった。
バスの中でフルーツ食べるのもイイなぁって思ってたらお兄さんが戻ってくる。ぶどうの値段を聞いたら1000ルピーだって、高すぎ。
もちろん買わなかったけど、交渉して下げればよかったかな。

18時にツアーオフィス前に行くと日が落ちて暗いバスターミナルに連れて行かれる。
ツーリストバスなんて1台もなくて小さいローカルバスばかりで不安になる。それにツアー会社のおじさんがずっとノープロブレムって言っててインド人にノープロブレムって言われるとめちゃめちゃ不安になるよ。
でも話してなんとなく理解できた。
取ったチケットはここマプサじゃなくてパナジからのツーリストバスみたいで、パナジまではローカルバスに乗れってことみたい。
1度スクーターでパナジに行ってて良かった、自分ひとりでもいけるって自信ができてたから。

満員のローカルバスに後ろから乗せられてエンジンがかかる。
窓の外でおじさんが大声で叫んでる、降りたらバスの車掌がツーリストバスまで連れてってくれるから安心しろだって。心配してないよへーき!手をふった。
走り出して真っ暗いと思ってた空も街を抜けると1面が夕日で紫色になった。
どうしようもないくらいに湧き上がってくる解放感。
これから行く遠く離れたどこか。

バスが州都パナジに着いたときは外は真っ暗になってた。降りて大きなターミナルを歩いてるとハンピの文字があった。近くの露店に聞くとバスはまだ来ないそう。
スナックとミネラルウォーターを買った。
あれ?アンジュナビーチでハンピ行くって言ってた人と再会する。
やっぱり一緒に行くんだね笑

彼は世界一周してるらしいんだけど、無計画に旅してる感じ。
いつ終わるんだろうね
キミは優しさで旅してるね
うん、いろんな人に親切にされたよ

バスに乗り込んだら寝台だった。横になって窓から空を見上げる。
バスはパナジの街を出て森の中を走ってった。踏切みたいな州境を越える小さな休憩所に停まった。

20円のミルクティー飲みながら座ってたら、ボタッと何かが足元に落ちた。
見たことのない腹のぶくぶくした巨大な蛾。う、よく見ると大量に飛び回ってて、壁に何匹も張りついてた。
ひぇぇ、恐ろしい…、こんなのが首に落ちてきたら絶叫してしまうよ。
あまりの恐ろしさに食堂から出た。

外の露店で野菜と目玉焼きをパンにはさんだ簡単なサンドイッチを作ってくれた。
暗い森の中で響くバーナーの火、目の前で1個1個注文を受けて作るのをぼーっと眺める。

夜も更けてて、他の旅行者たちと内陸にあるというハンピという土地。
見上げた木々のあいだ、満点の星空は見たことのない星座だった。