サナンダジュ 11月17日
パランガンを出ると一面の丘陵地帯になる。
今は秋だから薄い茶色の世界も、きっと春には緑になるんだろうな。
今日はアリーダの家にホームステイする約束があって…
アリーダの家はサナンダジュにあって彼女には三日前に会ったばかりなのだけれども。
乗り合いタクシーはカーミヤーラーンに着いた。
ここで乗り換えなきゃいけない。
ところがカーミヤーラーンからサナンダジュまでの乗り合いタクシーで少しトラブった。
私は乗客が4人揃うまで待つって伝えたけどドライバーは一人で出発するって誤解して走り出したから。
何度も説明したのに…
私は怒って降りてランチを食べた。
けっきょく3人集まってタクシーはサナンダジュに向かったけど。
怒らなくてもよかったと思う。イランの人たちが優しすぎるのになれてしまってた。

着いたのは郊外のロータリーみたい。
もっとゆっくり着く予定だったけど、思ったより早く着いちゃった…
今日のホームステイ先のクルド人の家族に連絡した。
今いる場所はよくわからなかったから近くの人にスマホを渡した。
けっきょく、その人がクルマで私をクルドパパのもとに届けてくれた。
そこから家族の家まで送ってもらった。
すごい立派な家だった。ガレージがあってその向こうに家がある。
リビングはとても広くて大きなTVがある。キッチンも家具も立派だった。
聞くとイランではこれが4人家族の普通の家だそう。日本だと億ションみたいな家に感じる。
イランは豊かだなって思う。
アメリカの経済制裁を受けても、その間に国内で産業が熟成されててちゃんと経済が廻ってる感じがする。
輸出や輸入に頼らなくても素晴らしい製品を創れて、それを国内で供給できてる。
一方でパキスタンは海外資本をたくさん入れて利益のほとんどを海外に持っていかれてる。
パキスタンは明らかに道路とか電力とか、インフラが整ってなくて、物価は同じくらいでもイランより貧しかった。
バックパックを家に置いたあとパパさんの事務所に連れていかれた。
事務所の周辺は高級住宅地みたい。
聞いたら値段も日本のマンションと変わらないくらい。
事務所の小太りのスタッフと丘を歩いて色々話した。イランと日本の違いとか、税金とか人口分布とか経済とかそういうの。
その丘からはサナンダジュの街が一望できる。
街の人たちもこの丘に散歩に来てるみたいだった。この丘は夜になると家族連れやカップルでにぎわう。
事務所にもどるとみんなに紹介される。
彼らは不動産屋さんなんだろう。ベイビーフェイスって言われた。日本人は童顔だし、旅をしてると顔が若くなるって言ったけど…
色々話したあとにアリーダの家に帰った。
親戚たちも集まってきた。
親戚のひとりのお店が火事ですこし燃えたみたい…大変じゃんって言ったけど、まあ大丈夫みたい。
今日の私のために集まってくれたんだ…
食事がひろげられた。
ビリヤーニにババロアにサラダに…豪勢な食事。どれも手が込んでて、とても美味しかった。
食事のあいだもアリーザが息つく暇もなく話しかけてくる。
私に質問して私が答えてる途中で新しい質問を投げてくる。
お箸をわたされて、それで石榴をつまむと喜ばれた。それで石榴をいっぱい食べてた。
夜はリビングで布団をかけて寝た。
クルディスタンでは日本やフンザみたいに床で寝るのかも?
へとへとになった一日だったけど、いろいろ話せて楽しかった。

