チトラル 10月26日

韓国人のおじさんがチトラルは旅が難しいって。
ドイツ人のバックパッカーはチトラルは人が親切だって言ってた。

フンザを旅してると何度も出てくる地名のスカルドゥとチトラル。
スカルドゥはフンザのすこし南にあって、チトラルはアフガニスタンの国境付近にある。
チトラルはギルギットから行くのは大変だけど、ペシャワールから簡単に行くことができた。

パキスタン最後の思い出に行ってみることにした。
前の日にチトラルまでの値段は聞いてた。バンで1500Pkrくらいだった。

ペシャワールから北へ400km以上先にある山岳地帯の街につくのは明日の朝になる。
パミール高原にはもう冬がせまってた。
バンの中では肩を寄せ合ってたから寒くなかった。

目が覚めたら明け方になってた。
途中の休憩で寒さに震えながら飛行機雲をみた。
飛行機が轟音と轟かせて飛んでる。
バンは谷間を走ってくけど、飛行機も谷間を飛んでくんだね…

チトラルに着いて、みんなどこかへ消えてく。
そこはちいさなバスターミナル。
チャイハネはボロイ小屋だったけど、ストーブの上のヤカンから湯気が噴き出してて…田舎の日本のお正月みたいな…すごく穏やかな感じがする。
明るい小学生くらいの子供ふたりと朝ごはんを食べた。

歩いてると安い宿に地元のおじさんが連れてってくれた。

通りから少し奥にある古い建物は歴史があるって感じでカッコいい。
三階建てで見上げると吹き抜けの螺旋階段になってて、その周りにぐるって部屋がある。
三階の一人部屋はとても眺めがよかったし。すこしトイレから下水の匂いがするけど、それはドアを閉めればよかったし。
これで1500Rp、いい宿をみつけたなって思う。

チトラルの街を歩く。
油で強く揚げた魚が売ってる。そういえばパキスタンに入ってから一度も魚を食べてなかったっけ。
魚をたのんだらお店の少年がうれしそうに笑いながら魚をお皿に乗せてもってきた。
ナンといっしょで200Pkr。大きな魚なのにたった100円。
隣の人は上手にナンで魚をほぐして食べてる。
私もマネしたけど、小骨でぐちゃぐちゃに汚くなった。お箸がほしくなる…

いつのまにか日が暮れてて
夜道を歩いてると上のほうから声が聞こえる。
ホテルの二階から顔をだしてる人がいて、こっちの部屋に来いっていわれた。
コンクリートの階段をあがって部屋に入ると3人でお酒をのんでるではないですか…
密造酒だよねw
私にもお酒をのませてくれた。
すこし甘くてやわらかい味。すごくすごく美味しい。
話をきいてると政府関係の人たちみたい。
いいの?wあなたたち?笑って聞いたら、こいつ警察官だから大丈夫って笑ってた。
美味しくて3杯も飲ませてもらった。顔が真っ赤になる。

帰りにちいさなレストランでビリヤーニを作ってもらった。
せっかくの眺めのいい部屋だから
部屋にかえってチトラルの灯りをみながら食べた。