トラブゾン 2月23日
ご飯を食べるなら広場の周りがいいよって言われた。
でも、ここ数日間はずっと雨だから。
傘をさして出かけた。
トラブゾンってすごい急な坂をクルマが降りてったり登ってったりする。
そのまま、ずるーって滑り落ちそう。
広場の周りにはいろいろレストランがあったけど、ふつうに600円ぐらいした。
豆のスープ、バターライス、牛肉のスープ。
おいしいよって言われるままに頼んだらスープが二つ。でも、おいしかったからいいけど。
マックでコーヒーを買ったんだけど、マックなのに空いてて珍しい。
ヒマそうな店員にあいさつの練習してもらった。
ありがとうはテシュキルエデルム?
もっとキュウ!って
キュウって!?
ふふっ。
誰もいない2階から雨の街をながめてた。
街の外れにあるソフィア聖堂はもとは教会。今はモスクになってた。
歩くと2km離れてるから30分はかかりそう。
バスつかう?
どちらにしてもここから歩かなきゃだね。
西のほうへ、水たまりを避けながら石畳の上を歩いてった。
街の途中でみつけた博物館はトラブゾンの歴史とか展示してる。
そんな感じでつまらないんだけど、展示のしかたが黒にスポットライト。それがスタイリッシュでカッコいい。
それに建物の中は雨降ってこないし。
歩いてるとアザーンとモスクから詠唱が聴こえてきた。あ、トルコのモスクって屋根が丸くてかわいい。
入ってお祈りしようかなって思ったけど、すこし考えて通り過ぎた。
橋の下が整備された公園になってた。もし晴れてたらすごくきれいだったろうね、今はただ寒いけど。
黒海沿いの大きなロータリーが寂しかった。そのころにはスニーカーが雨に濡れて凍傷になりそうなぐらい冷たくなってた。
ソフィア聖堂の入り口は女性と男性に分かれてた。
むきだしの石でできた無骨な感じは今までの明るくて女性的だったモスクのイメージとは違う。
部屋には小さな暖房があって、すこしだけ暖かい。
だから、絨毯にすわって天井を見上げた。
気がついたら市場の中を歩いてた。市場は久しぶりに見た気がする。中央アジアではバザールだよね。このバザール、壁が木でできててかわいいね。雨も降りこんでこないしね。
歴史のありそうな建物は小さな作業場の集まりみたいになってた。作業場っていっても絵を描いてたり布を織ってたり。伝統工芸とかしてる人たちの建物みたい。
なんか雰囲気がよくて、ココでミシンを踏んだりして働いたら、そういう生活ができるね。
裏通りの2階に小さなカフェの看板。
これは絶対に雰囲気いいに違いないって階段あがったら、トルコのJDたちでいっぱい。
うーせまい…これじゃ居場所がないよ。
せっかく薪の暖炉があったからスニーカーを乾かしてた。
トラブゾンの街、人が多すぎる気がする。どこ行っても人であふれてる。
雨のせいかな…
古い邸宅を改造した博物館は人がいなかった。
なんか、疲れ切って宿に帰った。
雨と泥で汚れたスニーカーを洗って部屋に張った紐にぶらさげて乾かす。
あ、これ良く考えたら明日までに乾かないよね。
夜中、近くの食堂でトルコ料理を食べた。
深夜だから誰もいない。
おじさん2人がお店をやってて、美味しくて、寂しくて、やさしかった。
そして、明日はこの街をでようって決めた。