ドゥシャンベ 11月22日

ドゥシャンベ 11月22日

汚いホテルに2泊もする理由なんてなかった。
バックパックもなんか汚れちゃった気がする…朝にさっさとかついでホテルを出た。

交差点にはタクシーがいっぱい集まってる。
クラガンテペからドゥシャンベまで。40somoniにディスカウントしてもらって助手席にすわった。
中央アジアの国々ではバスのかわりに乗り合いタクシーで移動したりする。

ドライバーさんはいい人みたいだった。
むかし乗せたインド人がインド企業の社長だったみたいで、ドライバーさんの親切に感動してインドで彼を雇ってくれたんだって。
それで彼はタジキスタンからインドへわたった。給料は一ヶ月700ドルだったそう。
いい給料だと思う。そんなにインドでもらえるんだ?
インドの方がタジキスタンより給料がいいのもびっくりだけど…街やクルマ、人の清潔さはタジキスタンの方が圧倒的に綺麗なのに…
2年働いてて、もらった給料は部屋のベッドの下に貯金してた。
でも同じ部屋にいたインド人が彼の貯めてた給料を全部盗んで逃げた。
社長は憐れんでくれて最後に給料を2倍にしてくれたそう。

もし同じ部屋にいたインド人が同じ会社で働いてたんだったら、社長とその部下が盗んだんじゃないか…?なんて私は思ったけど黙ってた。
長旅でインド人をすっかり信用しなくなってた。ムスリムの人たちは人がよすぎるよ…

ドライバーのおじさんは私のために安いホテルをドゥシャンベの街で走り回って探してくれた。
私はタクシー代が心配で探すのをやめてもらった。
停めてもらってお金を払おうとしたら、いらない、それよりも今度うちの家族のご飯でも食べにきてくれって言われた。
タクシー代を心配した自分が恥ずかしい。
信頼すべき人を信用できなかった見返りは罪悪感で、信用して騙された見返りは憎しみで…私は憎しみより罪悪感を感じる方が何倍もマシだと思う。美しい思い出のほうが人生を豊かにするから。

安い宿は自分で探した。
ドミトリーで75somoni、10人は入りそうな大きな部屋だったけど他に誰もいないから部屋を独占できた。
近くのレストランは入口はショボかったけど中が豪華で広かった。プロフは30somoni、ちょっと高いなって思う。美味しかったけど。

ひさしぶりにお湯のシャワーを浴びた。私しかいなかったけどドミトリーだから音を立てないように日記を書いてた。