ドゥプニッツァ 4月10日
夜中に寒くて何度も目が覚めた。
泊まってるのはブルガリアの山奥にある僧院。リラの僧院って言われてて世界遺産になってる。
山の上にあるから夏でも寒いのかな。毛布を引き上げてベッドで丸くなる。
鍵を返すとバスの出発は9:00って言われる。
あと2分しかない?!
慌てておみやげのイコンを買って門を出るともうバスはいなくて、まだ来てないのかもと20分ぐらいベンチに座って待った。
やっぱり先に行っちゃったのか…地球の歩き方には9:30って書いてあったのにな。
門番のおじさんに話すと次のバスは6時間後で、この何もない僧院でそんなに待つのはイヤだなって思った。歩いて下山したら街につくかもしれない。
バックパックを担いで山道をてくてくと歩き始める。
こういう判断ミスって旅によくある。
後ろからクルマがくるとヒッチハイクをする、ぜんぜん止まってくれない。イランやウズベキスタンみたいにはいかない。
調べたら一番近いリラの村まで15kmもある。
4時間も歩くのか…うーん。
1時間ぐらい歩くと小さなホテルがあった。
スタッフに聞くとタクシーは通らないし13:00に僧院に戻るバスが来るみたい。
そのバスで僧院までいっかい戻ろう。
考えるコトが今いる環境で二転三転する。
ホテルのカフェでコーラを飲みながら本を読んで時間をつぶした。13:00まで読書してバスに乗ってリラの僧院まで戻った。
昨日きたときはきれいで大きくて凄いなーって感動したリラの僧院。
今日もどっても2回目だから何も感じなかった。
僧院の近くのレストランでスープを飲んだり、座ってぼんやりしながら15:00まで待ってた。
けっきょく戻ってきちゃって朝に下山する意味がなかったのかもしれないけど…ココで6時間待つよりは、何かに期待して歩いて戻ってくるって方がずっと楽しかったんだから、きっとコレは正解だったんだ。
15:00になって下山のバスに乗った。
バスに乗ってドゥプニッツァで降りたのは私だけ。
街外れの高速道路沿いだった。
どこへいけばいいんだろ?
今日の目的地、サパレヴァ・バーニャ行きのバスターミナルがわからない。とりあえず街の中心に向かって歩いた。
ヒューって風の音が聞こえてきそうな人のいない殺風景な街だった。
街を東に向かって歩く。この街はホテルもなさそう。
どのくらい歩いたかな、疲れてきたからカフェにって思ったら、そこで飲んでたハゲたおじいちゃんに声をかけられた。
おじいちゃんは英語喋れない。ブルガリアの人って英語喋れる人が少ないなって思う。
サパレヴァ・バーニャに行きたいって地球の歩き方のブルガリア語のページを指差しながら話すと今日はもうバスが終わってるみたい。
今夜はここに泊まって明日の朝に向かえだって。
なぜかビールをおごってもらって、あんまりにも言葉が通じないから2人でけらけら笑ってしまう。
おじいちゃんの名前はトニー、そのあとに安いホテルまで連れてってくれた。ハグしてばいばいする。
ホテルがすごい近代的でびっくり。
おじいちゃんに教えてもらってホントによかった。
リラの僧院ではwifiがつながらなかったからな…久しぶりにつないでいろいろお話する。
きれいなシャワールームで2日間の汚れを落として洗濯した。
夜にお腹が減ったから近くのレストランへ歩いてく。
人のいないさびしい街、見上げたら樹の向こうに三日月がみえた。