ドゥーズ 2月10日
シアトル?アメリカ?
そう聞いたら、すこし悩んでシアトルじゃなくてサーカスってはっきり発音した。
10代のときにフランスからチュニジアに渡ってきて、北アフリカで10年間サーカス団員してるんだって。
サーカスなんてみたことない…すごい決断してるけど、どんな10代だったんだろうって思う。
きょうの夜はサハラ砂漠で野宿。
宿の前でぼんやりしてたら、いきなりバイクから声をかけられた。
きのうシーシャ吸ってたらコロナ!って言ってきたから、叩いちゃった人だった。そのあと叩いたことを謝って友達になったんだった。
よかった、いきなり声かけられて。もし遠くから気付いてたら気まずくなってたから。
遊びに誘われたけど断った。
建物の上の青空をみながらサンドイッチを食べた。
郊外の家でラクダを待ってた。
なんだかハエが多い。家の小さな子供は気にしないで走り回ってる。渡された寝袋を開けたら小さな芋虫がいっぱいいたから、あわてて放り投げた。
ラクダは200mさきの家につながれてる。ガイドがまだ来てないみたいだった。
1時間後、道のむこうからよたよたとガイドが歩いてきた。
道路のむこうに白いゲートがみえる。ガイドとラクダととぼとぼと道を歩く。
聞いたらゲートむこうは砂漠みたい。
街のむこうが砂漠なんじゃなくて、この街は砂漠のなかにあるのかもしれない。
砂漠に入ってからラクダに乗ったけども、すごい揺れる。砂漠というよりブッシュって感じで植物がいっぱい生えてた。
日焼けしないように帽子をかぶった。
歩き回って薪をあつめた。小さな小枝とか。
フンコロガシが砂に道をつくってる。
夜はたき火をいっしょに起こしてナンとパスタを作ってもらった。ナンは砂に埋めて焼いたあとバンバン叩いて砂を落とした。
見上げると満天の星空。1000年前もキャラバンがキャンプしたのかもしれない。
星空をみてると平衡感覚がなくなって倒れそうになる。
遠くに街のオレンジ色の灯り。
あまり砂漠じゃなかったけども、それでもいっか。