ドゥーズ 2月9日
白い大地が地平線のむこうまで続いてる。
下半分は乳白色、上半分はライトブルー。世界は見えない直線で50%に分かれてる。
ウユニ塩湖みたい。
あっちは鮮やかなコントラストだったけど、ぼんやりしたこの塩湖は浅い夢みたい。
黒いUFOが遠くの地平線に浮かんでる。あれが蜃気楼?湖に浮いてるみたいにみえる。
その黒いUFOは、岩かもしれない。ぽつんぽつんといくつかあったから。
不思議な世界。スマホで写真を撮るのが止まらない。
あとで調べてみたらサハラ砂漠最大の塩湖だった。
ミニバンはショット・エル・ジェリド塩湖をまっすぐ走ってく。
道路のむこうは何もみえなかった。
地図だと50kmくらい直線が続いてた。
ふいに何もない道路の世界にぽつんと小屋みたいなカフェがあった。それは、あっという間に後ろに流れてった。
ケビリって小さな街につく。
この街は目的地じゃなくて、ミニバンがここまでしか行ってくれないからきただけ。
この先の砂漠の街に行きたかっただけ。
ドゥーズに行きたいんだけど…
道端の八百屋にそういったら、グラサンのおじさんがバスターミナルまでつれてってくれる。
ちいさなバンに乗せられた。
それはそのまま走り出した。
ドゥーズの街ではバザールの広場でシーシャを吸ったり別の宿で砂漠に行く予約をしたり。
でも、あまりすることがなかった。
宿でなかよくなったムスリムのフランス人とモスクにお祈りにいった。
スースでムスリムになったことを言ったら、イスラムの教えをいろいろ教えてくれた。
靴は右から脱ぐの?
部屋に入るときは右足から?
すごい細かいルールがあるんだね…
ふたりで小さなトゥーズの夜を歩く。
フランス人は隣でずっとイスラム教の戒律を説明してくれてる。
空を見上げたら夜空にすごい星。
南には広大なサハラ砂漠があって1000年昔の今もキャラバンが旅してて…
そのキャラバンは小さな家族で、きっと夜ごはんは、駱駝たちと火の回りでナンを焼いて食べた。
フランス人の声がいつのまにか遠くから聴こえてくる。
相槌を打つの忘れて空をみてた。