ハンピ 11月13日

朝、バスから降りたら、ぽわんと目の前にある大きな遺跡。
その向こう。
あれ?村かな?街じゃないよね。
遺跡の近くで人が暮らしてるの?なんかすごい場所だね。

ゴアから7時間かけてたどり着いたハンピの村には大昔の石の門が「何でもありません」って感じで普通に溶け込んでる。
あれ?っていう気持ちになる。
ぎっしりと細かい装飾が施されててこの遺跡がすごいのはわかるんだけど、世界遺産なのにまるで整備されていなくて…、なんかすごい不思議な世界だね。

 

声をかけてくるたくさんのトゥクトゥクたち。宿に連れてってくれるみたい。パナジからいっしょに来た世界一周の人とはここでお別れした。
トゥクトゥクに乗ったら……走って10秒で降ろされる。
え?!50mも走ってないよ!
振り向くと乗ってきたバスがすぐ後ろに停まってた。
このハンピという村は100mぐらいしかないみたい。
この小さな村に世界じゅうから人が集まるんだね、それにまだほとんど知られていなくて交通も不便だし、来るのも大変らしいし。

ニヤニヤ笑ってるお兄さんに部屋を見せてもらった。なんか暗くて雰囲気もひもじくて、窓の大きな部屋って言ったのに廊下に面した小さな窓があるだけ。バス、トイレは別でしかも洋式じゃないし。
1晩400ルピー(1ルピー=2円)だとこんなものなのかなぁ。

トイレから部屋に戻ると財布がベッドに転がってた。
こんなに無防備に部屋を出たっけ?
財布からお金が取られたかどうかわからないけどなんか気分が悪くなってた。閉塞感のある部屋を出て村を散歩することにした。

見晴らしのイイ食堂ないかなーって歩いてたら、世界一周中の彼に声をかけられた。
イイ宿見つけたよ!
へー、微妙な宿にいるよ(キミいっつもテンション高いよね)

これが信じられないくらいいい宿。ベッドは広いし綺麗な窓が2面も付いててめちゃめちゃ明るいし、バス、トイレ付き、鏡も3面もあってさっきの刑務所みたいな宿とは大違い。
オーナーのおじさんに聞くと同じ400ルピーだそうで、慌てて宿をこっちに変えることにした。
この宿はカルヤンゲストハウスっていってハンピでは有名な宿でした。オーナーの奥さんが日本人で毎朝パンを作って食べさせてくれるんだって。
隣の部屋にはムンバイから来てる日本人が泊まってた。世界一周中の彼のゲストハウスも見せてもらったけどそっちは微妙だったけど…(ゆずってくれてありがとう)

シャワーを浴びて溜まってた洗濯を干しに屋上にあがった。
あれ?小さな猿がいる。かわいいね。
手を伸ばすと、危ないよ!って宿の人に声をかけられてびくってなった。うー気をつけよ。

宿の隣には巨大岩が積み重なってる。すごいなー崩れたらどうなるんだろう。
すごく気持ちのいい屋上、風が涼しくて緑豊かな小さな村はどこまでものどか。
しばらく座ってぼーっとしてた。

 

遅い朝ごはんを食べようと村を歩いてると聖人みたいな恰好をした老人に声をかけられた。お金を払ったらいっしょに写真を撮っていいらしいけど…ほら、今はiPhoneがないから…

小さなレストラン、窓際で日本人っぽい人がひとりで食べてて話しかけたら中国人で、なぜか謝られた。
そんな、私も申し訳ない気持ちになるよ…
北京から旅して来たんだよ、上海、周荘、香港って
インド旅行なのに綺麗な服を着てて英語がぺらぺらでしかもイケメンで中国人なのに声が小さくて、話しててめちゃめちゃ緊張してしまう。
周荘の話とかしてたらこの後トゥクトゥクでいっしょに遺跡を周ろ?だって。
そういえばトゥクトゥクのチャーターは考えてなかったかも。

■ヴィッターラ寺院

草原と巨岩をガンガンに越えて着いた大きなヒンドゥー教の寺院。
とにかく広い。地下に降りて上から射し込む光に浮かぶ真っ暗な遺跡が異世界に連れてってくれた。
見学してたインド人の小学生の女の子たちに囲まれて自己紹介したりしてたら名前を覚えられちゃった。

 

■王妃の浴場

ココでも修学旅行のインド人の小学生と遊んでた。写真を撮るとすごく喜んでた。

 

■王宮地区の王宮跡

ステージって言われてた場所、高台に登るとハンピの大地が見渡せる。
すこしさみしい。
ココには昔王宮があったなんて。

 

■ロータス寺院

なんか可愛らしい丸っこい寺院。とっても綺麗。

 

■象の厩舎

なんと象が飼われていたとか?草原が気持ちよかった。

 

■アンダーグランド寺院

奥に行くと水に沈んだ遺跡がある、暗くて澱んでた。

 

■ナラシンハ像

ジャングルの奥にカエルみたいな異形の神様の巨大な石像。インドらしい紫色の夕日が印象的だったかな…なんとなくさびしい。

 

村にもどって来たらもう夜になってた。
2階にあるレストランでクッションに座ってヨーグルトのチャパティを食べたんだけど、素直にカレーにすればよかったかも。
彼とは明日、自転車で遺跡に行く約束をして別れた。

ハンピの遺跡もいいけど、カラフルでのんびりしてる小さな村が居心地がよくて、できればずっと居れたらいいのにって思う。

どこか懐かしい小さな村には世界中から旅行者が集まってて優しい雰囲気だった。