バクタプル 11月27日

カトマンズから東へ12km離れたところにバクタプルって古い街がある。
ネパール王朝はカトマンズ盆地のなかで都をかえてたみたい。いまはカトマンズだけど昔はバクタプル。
自転車で行こうと思った。

宿を出て狭い路地をはしった。
こぎ始めて数百mでいきなりバキって音が下からした。下をみるとチェーンが切れてる…昨日も壊したし…
レンタサイクルに持っていくと何度壊せば気が済むんだ!って怒られた。もーとか言いながら新しい白いマウンテンバイクに替えてくれる。
でも、早めに切れてくれてよかったかもと心の中で思ってた。

昨日と同じ生ジュース屋さんでザクロのジュースを絞ってもらう。
ザクロのジュースなんて日本じゃ珍しいよね、とっても酸っぱかったけど。ほとんど人たちはキウィを飲んでる。

アルニコハイウェイを自転車で東に走る。朝日が眩しくてきつい。
どこまでも一直線に続くハイウェイ、iPhoneで現在位置を確認するけど近づいてる気がしない。
タクシーで40分かかるし自転車だと2時間ぐらいかかるのかも。
カトマンズ郊外は近代的なビルが多くて、のどかというより殺風景だった。

■バクタプル
2時間後、ハイウェイを避けて裏道を走っていく。
木立を抜けて急にバクタプルに着いた。
入り口でなんと1500ルピー(1ルピー=1.2円)もとられる。高いよ…
パタンより地味だなって思う、がらんとしているというか、人もいない。

 

近くのパゴダっていう宿兼レストラン
3階がレストランになっていて景色がとてもよかった。朝だからか他にお客さんがいなくてのんびり、自分だけの空間。

エッグカレー、インド以来かも。

 

路地裏でタルチョを100円で買う。
タルチョはチベット仏教の5色の旗。青・白・赤・緑・黄の順になっていて、それぞれが天・風・火・水・地を示しているんだって。
サイズとか長さを聞いたら10mぐらいあるみたい。帰国したら部屋に飾ってみたいな。

 

五重塔に上って一周まわる、急な石の段差。このきれいな塔が地震で壊れてなくてよかった。
結婚式の一団が広場を縦断してる。
楽団を連れててにぎやかで打楽器に管楽器にと大きな音を立てながら歩いてた。
音楽が楽しくて一緒に歩き回る。

二階のカフェからぼーっとする。
ダルバール広場にはなんか音楽がずっと流れてた。でも人がいない。

 

バクタプルから離れるときに人形を売ってるお兄さんに話しかけられた。お金がないって言ったら次々に冗談を言ってきて笑ってしまう。

自転車に乗ってバクタプルを離れる。

裏通りをひたすら西へ。坂を上ったり下りたりしながらカトマンズへ帰ってく。
地平線が見えそうなネパールの大地、行きのハイウェイと違っておだやかで気持ちよかった。

巨大な飛行機が丘の向こうを胴体をさらして飛び立っていくのが見えた。

 

丘を越える。ここら辺はカトマンズでも貧しい地域なのかもしれない。
道は舗装されてなくて穴ぼこだらけだし、坂は急でタイヤが滑って転びそう。狭い路地が多くてどこ走ってるかわからないし。
クルマが走れるの?…緊張感あふれる時間が過ぎてく。

 

■ボダナート寺院
丘を降りた先の大通りの横にある巨大なストゥーパ。

狭い通路の先の広場にある。上の部分は地震で倒壊してた。
自転車を近くのベンチに結び付けて、時計回りにマニ車を回しながら一周した。
1人だけボロボロの服を来た女性が五体投地をしてすすんでた。胸が押しつぶされそうになる。

 

どこからかきれいな詠唱が聞こえてきて、絶対に一緒に詠唱させてほしいって思った。緊張して階段を上がると大勢の女性たちが詠唱してる。
でも異教徒の私はその先は入ることができなかった。

自転車を括り付けたベンチに戻ってきた。詠唱の言葉がOm Mani Peme Hungだってわかったのは、ずっとあと。

 

■パシュパティナート寺院
ヒンドゥー教寺院のパシュパティナート寺院。
混雑した道路を渡って舗装されてない道をすこし走った先。入り口のちかくのベンチに自転車を置いて入場料を払って入った。

ここでは毎日のように死体を焼いて川に捨てる。
塀に頬杖をついて死体と炎を眺めた。
足が火から飛び出てて真っ赤にただれてる、身体は焼けてしまったのかもしれない。

しばらくぼーっと見てるとガイドが近寄ってきたので一人にしてもらう。

川を渡って寺院を歩く。山1つが全部ヒンドゥー教の寺院になってて、猿がものすごい数。
一番奥の僧院はヒンドゥー教徒でないと入れないみたい。
寺院内でサッカーしてる子供たち、のんびりしてるなーって思った。
全身真っ白いサドゥーがいて欧米人のヒッピーがいろいろと質問していた。

炎を見ながら川沿いに座ってぼーっとする。
カトマンズの喧騒から離れた静かな夕暮れ、たくさんの信者が川沿いでのんびりしてた。
後で知ったんだけど夕方から夜にかけて詠唱があるみたい。残ってみればよかった。

 

帰り道、日も落ちて真っ暗になる。
自転車で坂を上ってタメル地区へ帰る。
iPhoneの地図を頼りに車がびゅんびゅん通り過ぎる道を走った。何度か道を迷いながら30分後にインペリアルゲストハウスへ。
自転車は宿の裏手に停めさせてくれた。

シャワーを浴びてwifiを繋いで連絡を取り合う。
夜ご飯は地元の人たちが食べるというヤンリンというネパール料理店へ。家族経営っぽい雰囲気、なぜか気持ちが寂しくなった。

 

夜はシーシャバーに行ってゴロゴロしてた。
今日は自転車で東から西へ40kmぐらい走った、ムリだと思ってたからうれしかった。
殺風景で心細くなるハイウェイも滑って転びそうな坂道もうれしかった。
仏教とヒンドゥー教の寺院を見て、うまくいえないけど宗教について何か感じることでができた気がする。

明日は日本に帰る日。