フィレンツェ 2月3日

昼過ぎまでベッドでごろごろしてた。ブダペストから来た黒人の学生ふたりはまだ寝てる。
街に出ても楽しくなさそう。
だから、日記を2日ぶん書いた。

日記を書きながら、ドミの窓の外を見ながら、大きなサンドイッチを2つ食べる。
きのう同室のイタリア人が作ってくれたサンドイッチ、1つでも大きいのに2つ食べたらお腹いっぱいになった。

ひまだったからフィレンツェの街を歩く。
ローマもナポリもそうだけども、イタリアはどこに行っても観光客ばかりで生活の空気を感じない。
ローカルな街に、風景に、喧騒に、いつのまにか溶けていく感じが好きなんだけども…
それを旅情っていうんだよ
そう教えてくれた人は気がついたら世界からいなくなってた。

川の向こうにぽつんとある現代美術館。
展示されてるのはたいしたことはなかったんだけども。観光客が1人もいなかったから、ほっとした。

夜に宿にもどったら、自称アーティストのイタリア人がケバブを買ってきてくれた。
彼は誰にでも声をかける。すぐ人を誘う。
断られても気にしてなくて、かなりの高確率で断られてたけども。

自分が持ってないから、そのイージーさに笑ってしまう。
すごいねって笑って言った。
生活のこと、イタリアのこと、移住してきた国のこと。すこし話してたら、今日もまたフルートを聴かされた。