ブダペスト 5月2日
ドミの二段ベッドの上、小さな窓からブダペストの薄明るい街角が見えてる。部屋の他の女子は半裸で寝てる。
しばらくベッドの上でぼーっとしてからキッチンへ行って朝のコーヒーをいれて旅日記を書いた。
11:00にチェックアウトしてバックパックを背負って予約していた郊外の宿へ歩いてく。バーガーキングでコーラ330Flt(115円)を飲んでバスに無賃乗車して向かう。無賃乗車してしまったバスはだいぶ宿を通り過ぎてたから歩いて戻った。
大きな教会の角を曲がった先の古そうな学校みたいな大きな建物。雰囲気あるなって思う、1泊1700円ぐらい。キーをもらって長い廊下を渡って4階まで上がった先の小さな部屋。ベッドと窓しかない、でも景色はイイ感じ。さっそく貯まってた洗濯をした。
今日は行きたい場所がいっぱいで、温泉のために水着をバッグに入れた。宿に自転車は置いてなくて近くにある現代美術館へ歩いて行った。
そういえばフォアグラ食べてないな。フォアグラの本場ハンガリーでは1kg1500円で売っていて、これが空輸で日本に入るころには1万円に跳ね上がる。食べないのはもったいないな。
うろうろして入ったレストランにはフォアグラ置いてなかったけど、お兄さんが明るくて楽しくてチキンを焼いてくれた。
大きな通りを越えると立派なローマ神殿のような巨大な建築が2つ、広場を挟んで正対して建ってた。現代美術館と西洋美術館。
ヨーロッパはホントに豊かだったんだなって実感する。日本はこんなお金のかかった建物は造れなかった。長い間オーストリアとトルコの支配下にあったハンガリーでもこんななんだ。
現代美術館を見て回ったけどあまりすごいと感じるのはなくて、でもダンスの上映が凄かった、人間の動きと思えないというか、ロボットダンスっていうんだって後で知ったけど。そのあと外でカフェオレを飲んで広場をみてぼーっとしてた。
西洋美術館は閉まってたから地下鉄に乗って恐怖の館へ向かう。なんか地下鉄の駅が家みたいでかわいい、地下鉄も小さくておもちゃみたいでかわいくて写真をとった。
恐怖の館はナチスと共産主義、2つの全体主義に飲まれたハンガリーの虐殺の歴史をアートで表現した博物館だったけど、翻訳をレンタルしなかったせいで何言ってるかわからなかった。地下の拷問室、そこで殺された人たちの写真、思想で別人になった若者たち。入場チケットは2000Flt(700円)。
オススメされてた少し離れたBook Cafeへ。
長いエスカレーターを登って、高い天井に描かれたのは宗教画のようだったけど、実は本の世界。グランドピアノから響き渡る音楽。ココは高そうだよ、場違いな感じがしてしまう。
ポットの紅茶とケーキで2600Fltで900円ぐらいだったけど、ウェイターさんが日本人と結婚してるみたいで少し話した。奥さんは関西のほうに住んでるみたい。ぼんやりと時間をすごすけど、私が好きなカフェってもっと小さいんだって気づいた、Book Cafeはホールみたいに立派だったから。
ウェイターさんにチップを払って出た。
歩いてドナウ川まで歩く。
大聖堂を越えて道路を渡って川沿いに並んだ銅でできた靴のモニュメントたち、ぜんぶ川のほうを向いてる。なんだか優しい気持ちになれる風景だなって思う、ちょうど夕日が落ちる瞬間だった。
あれしなきゃ、これしなきゃって旅で思うと旅情がなかなか感じられない。いつも次のことが頭の中にあるから。
地下鉄に乗って対岸にある今日の目的のキラーイ温泉へ、トルコ帝国の時代からある温泉みたい。
道を尋ねながら、迷子になりながらたどり着くと20:00までしか入場できないそう…今は20:20…今日は温泉が楽しみだったのに、明日来てとか言われた。
名残惜しくて川沿いでベンチに座ってぼんやりする、夜は真っ暗になる。宿は遠いし早く戻った方が良さそうな気がした。
地下鉄で東駅まで行ってすこしほっとして、マックでビッグマック900Flt(300円)を食べながら通話する。
いろんな人がいるマックは安心する。今日は温泉が残念すぎの1日。