プラハ 5月22日
朝、旅の終着駅プラハへ。
1ヶ月半かけてブルガリアからチェコまで、すごいいろんなことがあったし、いろんな人に会った気がする。
バックパックに着替えを詰め込む。バッグに昨日買っておいたクロワッサンを入れて宿をでた。
お客さんたちが怪しい宿だったけど、キッチンもあったし安かったし楽しかった。
ショッピングモールの屋上のバスターミナルまで上がると立派なオレンジ色のツーリストバスがもう来てる。
運転手さんに乗れるか聞いたら大丈夫みたい。たった165Kn(650円)でプラハまで行けるし、このツーリストバスは液晶TVもwifiも付いててコーヒーまで出てくるという。
出口付近のシートに座ってプラハまで4時間の旅。
コーヒーが出てきたから音楽を聴きながらクロワッサンをもぐもぐ。この中欧の広々とした景色も最後なのかなとか思う。
途中でイケメンが隣に座ってきて固まる、他の席も空いてるのに…ひとりがいい。固まったままの私を乗せてバスはプラハの街へついてしまった。
バスターミナルから宿までは4kmほど。重いバックパック背負って歩くと体力使い過ぎて眠くなってしまうかもしれない。調べてみるとプラハは地下鉄が3本しか通ってなくて不便。宿の前を通るトラムもバスターミナルからは通ってないみたい。
橋の向こうまで歩くか…
チケットを1枚24Knで買ってプラハの街をてくてくと歩く。
この旅の最後の街プラハ。千の塔の都。
古い街並みが広いなって思う。
ブカレストやブダペスト、ウィーンより古い歴史を感じる。橋を渡った先でトラムに乗った。
ドナウ川沿いをドコドコ走って郊外へ、トラムを降りて400mほど歩いた先のドナウ川に浮かぶボートが宿。
昨日iPhoneで見つけた安宿、すこし郊外だけどボートが宿なんて楽しいなって思った。朝食付で2500円ぐらい、シャワートイレ付き。
チェックインして重いバックパックをベッドにどさり。
ふう。
窓の外はドナウ川、すこしの間この船室で生活するんだ。
プラハ生活に必要なものを出して部屋に並べた。
昨日たっぷり寝たから疲れてない、やっぱり休息は大切だなって思う。
人気クラブも行ってみたいし、オススメされたpapeloteって文房具屋さんにも行ってみたい。
宿でバスのチケットを買って出た。
トラムに乗ってオペラ座まで乗ったあと、何もない裏道を歩いてく。
裏道にぽつんと開いてたpapeloteに入るとカラフルな文房具がいっぱい。センスよくてかわいい…ここでお土産を買ってかなきゃだ。
小さな店内をいろいろ見てると紙みたいなペンケースを見つけた。質感が紙でびっくりするし、ひとつひとつのデザインもすごくいい。ペンケースを3つ買った。気持ちがうれしくていっぱいになった。
外にでてカフェでチェコビールで乾杯する。
35Kn(140円)で樽みたいなジョッキで出てくる。プラハの生活計画を立てようって思ってたけど、wifiをつなげなくてあきらめた。
そういえばプラハは劇場が多いみたい、人形劇や舞台が盛んだとか。せっかく来たんだし毎日観てみたい。
ラテルナ・マギカっていうチケット売場に行って壁に並んでる舞台のフライヤーを見て回る。Woderful Circusって現代パフォーマンスアートっぽくて気になった。聞いてみるとあさってから始まるみたい、1番安い席で480Kn(2000円)で購入。
買ったらなんだかわくわくしてきて、舞台を毎日観れたらイイのにって思う。
川沿いを歩いてるとすごい混んでる、あ…カレル橋に来たんだ…観光客で橋はいっぱい。両側には無名アーティストの露店が並んでたり、大道芸してたり。有名なカレル橋を歩いてても、舞台を毎日観たくて予約がいれたくて集中できない。くるっとカレル橋を戻ってボヘミアチケットインターナショナルへ、きっとチケットが売ってるハズ。
歩いてると広場に出た。
巨大な天文時計が見えた。これが500年間動き続けてるっていう時計…すごい碧くて綺麗…
観光客でひしめく広場はさけてチケットを買いチケットセンターに入った。
どれを観ようか悩んでたけど、大きなステージはWonderful Circusとオペラ座で行われるオペラぐらいかもしれない。
帰国前日からオペラの公演が始まるみたい、Aidaが旅の最終日に観れそう!よかったー、でも1番高い席は4000Kn(16000円)もする…1番安い席は520Kn(2100円)。1番安い席を予約することができた。
あとは…このブラックライトシアターってのが気になる、聞いてみると580Kn(2400円)で毎日やってる。きっと観光客向けなんだろうなとは思うけども…。せっかくだしブラックライトの舞台も観てみたい。
これで今夜のチケットも手に入ったよ!
お金を使ったから、もうこれで贅沢はおわりだなーって思う。
ウィーンでクラシック、プラハで舞台。お金をかけるところは決めておきたい。かわりに犠牲になるのは宿と食事なんだけども、たとえ安くても、楽しくておいしいのがその2つだからかも。
ハンバーガーは400円ぐらいするから、ソーセージの盛り合わせを70Kn(280円)で買ってベンチに座って食べた。
日本だとハンバーガーの方が高いだろうけど、ヨーロッパはソーセージがホントに安くて美味しい。
少し歩くとたくさんのトラムがぐるぐると行き交う広場に出た。
…真っ黒い巨大な塔、これが火薬塔…お金を払えば登れるみたいだけど?登ろうかな?
なんて考えながら、
なんとなくトラムと広場の雰囲気がすごく懐かしい感じがして座ってぼんやりしてた。
たくさんの観光客に混ざって、自分が広場の喧騒の景色になる感じ。
ブラックライトシアターは19:30開場って言われたから歩いて向かう。建物の裏側の怪しい小さな劇場、入るともう埋まってる。
うーん…せまい。
8時に始まった舞台はブラックライトを使ったパントマイム洗濯、お酒、鞄、マジシャン、馬、魚、バイオリン。小さな題に沿った小さな舞台たち。2時間のあいだ楽しかったんだけど、夢を見せられてるみたいでこっくりしてた。
帰ろうとドナウ川の方へ歩いてくと夜のKFCのライトが暖かい。
入りたいけど高いからなー…小さなマーケットを見つけてヨーグルトを飲みながらプラハの夜を歩いた。
ラテルナ・マギカの裏の広場からピアノの音が聴こえてくる。真っ黒い汚れたピアニストが一心不乱にピアノを弾いてた。
コンクリートに囲まれた夜の広場にピアノの音が響き渡ってる。
ときどき観てる人がコインを入れて行くけど、ピアニストはありがとうも言わない、見向きもしない。ずっと下を向いてピアノを弾き続けてた。すごい上手だった。カッコいいよな。
このピアニストはこのプラハでどんな毎日をおくってるんだろう、似たような空気の人たちと静かに聴いてた。