ペシャワール 1月1日

朝早くて道が空いてたからかな?
リキシャはたった150ルピーでペシャワール博物館まで連れてってくれた。

博物館にはガンダーラの仏像がいっぱい並んでる。ガンダーラ王国は1800年前にパキスタンからアフガニスタンにあった仏教の聖地だった。
仏像なのにどれもローマの彫像みたいな感じ。
三蔵法師が中国から目指したガンダーラ王国、どんな街並みだったんだろって思う。

パキスタンのバスは着飾ってて戦場にむかう戦士みたい。
次々に通り過ぎるバスを眺めてたら、英語の先生に声をかけられてランチを奢ってもらえた。
一人だと入りにくい地元の美味しい食堂は人でいっぱいだった。
日本にもいくと思うよ
じゃあ、その時は私がおごるね

ショールを買った。
1000円もするの?
ぼったくられてると思ってかなり安くしてもらった。でも、買ったあと調べたらどのお店も同じだった。
あ、安くし過ぎたかも…お金を払おうとお店にもどった。
別にいいんだよって笑って返される。
パキスタンの人たちはみんなショールを羽織ってて砂漠の民みたいでカッコいい。
身体にばさぁって巻きつけた。雑踏の一部になったみたいで気持ちいい。心なしかじろじろ見られなくなった。

バザールからみえる狭い空。
その空を占める白い塔はモスク。
モスクの階段を上がって靴を脱いでお祈りをした。
少年が手をふってくる。
大理石の上は冷たいよ?絨毯の上に座りなよ?
うん、でもすこしだらしなく座りたいから

少年と話してたら、近くに座ってたおじさんがいろいろ教えてくれる。
音楽の演奏があっちの通りで始まるよ
行こうかな
僕はモスクでもう少し太陽にあたってるよ
じゃあ、いくね

すこし離れたとこにお風呂のミュージアムがあったけども、お風呂には入れなかった。

ココからの景色がいいよって知らない人に連れてってもらったバザールの屋上。
葉の落ちた木と灰色の空がさみしかった。

駅でペシャワールからクエッタまでの寝台列車のチケットを買った。
4800ルピー。
驚きの高額値段で財布は空っぽになった。
ホテルまでリキシャではお金が足りなかったからバスに飛び乗った。
バスは逆方向に走ってく、あわてて降りた。

財布に100円しかなかったからできる限り歩いてく。
いつの間にか日は落ちて、真っ暗な大通りをクルマがバンバン走ってく。
ホテルまで数キロメートル離れてる…
ぜんぜん心配してなかった。スマホの充電が切れさえしなければマップを見て歩ける。
そうすればいつかたどり着けるから。

暗闇を切るヘッドライトを避けて、不意にアスファルトに穿たれた穴に落ちないように、クラクションを時々鳴らされて。
真っ暗いパキスタンの都会をホテルまで歩いてく。