リオデジャネイロ 1月8日
リオデジャネイロの宿の部屋は音楽が聴けないくらい暑かった。何もしてないのに汗が噴き出てた。
でも、できるだけ今日は歩きまわって観て回るつもり。
外は雲ひとつない快晴。
部屋の窓から見上げたら、ビルの最上階に1つだけガラス張りのきれいな窓が見えた。
バカみたいに繁った観葉植物が窓から飛び出てた。そのむこうに家具が顔を出してる。
なんかいいな…
住んでる人がどんな生活しているのか想像する。
地球の歩き方は持ってなかったから、ネットで調べた情報と観光マップを持って歩きまわるつもり。
観光マップはとても役にたちそう。
1番みたいのは幻想図書館だった。ハリーポッターみたいな世界だって。
あとは国立美術館。
リオデジャネイロの街を歩き回って、ときどきカフェでぼんやり通りを眺めながら1日過ごしたい。
セントロの北は治安が悪いって聞いていたから、明るいウチに北から周るつもり。
通ったルートは「何かのミュージアム」から「現代アート美術館」まで。
朝ごはんを食べに階段を降りた。ホテルは朝食のビュッフェ付きで3000円もした。
リオデジャネイロの宿は高かった。
どこにカフェがあるんだろ?
3階から1階まで、廊下のはじまで行くけど見当たらない。
ホテルをうろうろ、カフェは2階の奥のほうにあった。
入るとみんなに見られる。
う~、なんだろう、昨日からこのリオデジャネイロでの見られる感覚。
アジア人が珍しいのは分かるんだけど、値踏みされてる感じで苦手だった。
パンにバター、フルーツがマンゴーとパイナップル、スイカ、プロセスチーズ、ハムとソーセージが入ったスープ、あとジュースとコーヒー。
ソーセージの入ったスープ以外はとてもさわやかで美味しかった。
外のカフェでぼんやり通りを眺めるのも好きだけど、パンとコーヒーだけだろうし、新鮮なフルーツやジュースが食べれるブッフェは本当にうれしい。
1日で15km以上は歩くはずだから、ビタミンとカロリーは摂取しておきたいし、身体が求めてる感じ。
あ、あとこのビュッフェでみんな楽しそうにみえないのは気のせい?
カフェはおじさん1人で切り盛りしてるみたいで忙しそうだった。
2皿目でコーヒーを飲んで落ち着かないので部屋に戻った。
前の日に買っておいたミネラルウォーターは温水みたいに温まってた。
バッグに詰めて出発。まずはセントロの北にあるミュージアムへ。
目の前にあるのは8車線はありそうなすごい広い大通り。
これを越えて行かなきゃいけないんだけど信号がなかなか変わらない。
公園の中の人に柵の上からジュースを渡している人がいる。ああ、そういえば公園に柵なんていらないよねって思った。
50mはありそうな道路を小走りになりながら渡っていく。
リオの人ってみんなリュック背負ってるな~、ほかの街ではバッグ持ってる人はほとんどいなかったけど。
大都市だから?そんな理由?
目的のミュージアムはどの建物なのか迷ってしまって海に間違って進んでしまったりしながら看板を見て辿りついた。
軍人みたいな人もいるしミュージアムって感じしない。
入れるか聞いてみるけどおばさんはスクールだって。観光マップを見せてココだよねって確認したら。
その通りなんだけど、スクールなのか…
なんか入れる気がしなかったからあきらめて出てきた。
こういうあきらめが何度か続くと旅はつまらなく、小さい気持ちになってくる。
次は無理してでも突入しよう。
リオデジャネイロで1番古い教会はカンデラリア教会。
歩いてるとなんとなくビジネスっぽい人達が早歩きで歩いていて、混んでて歩きにくかった。
新聞売りやケンタッキーが薄暗いビルの1階に並んでる。
朝の生活。
しばらく歩いて海の近くの開けた場所に
…あれかな?
教会だけど背面も横面にも落書きが施されていて治安の悪いリオデジャネイロっぽい。
よくあんな高いところに落書きをいくつも書くよなって感心するけど、落書きがきれいじゃなかった。
落書きはいいと思うけどもっとカラフルにデザインもきれいにすればいいのに。
入り口を探して正面の噴水から見てもやっぱり落書きがされてる。
中に入ってみると装飾や天井の絵画が素晴らしくて、お~と思う。しばらくほかの観光客と混ざって写真をパチリ。
ブラジルでは神父が説教してても誰も遠慮しないで写真を撮るんだよね。
ブラジル銀行文化センターは観光地。なんで銀行?って思うけどランキングの上にあるんだから理由があるんだろうけど…
裏口から入った。
ガラガラと扉を手で閉める古臭いエレベーター。その周りを階段がぐるぐるぐるぐると螺旋に巻いてる。
その階段を上っていった。
一般の人は3階までしか行けないみたい。
吹き抜けになってるホールから1階を見下ろすとカフェがある。席が3つほど。
何もないよココは。
途中で適当にドアを開けようとしても閉まってる。
3階まで上がってきてる観光客はほかにいない。係のおじいちゃんが優しく出口の階段を指ししめす。
納得したふりした後も他のドアも開けようとしてると、オフィスに入っちゃった。普通にみんな働いてた。みんなこっちを見る。
この銀行は現役なんだね。ゴメンなさい、頭を下げてドアを閉めた。
笑ってたらおじいちゃんにもう1度優しく促されたのでおとなしく1階まで戻って出た。確かに清潔感があって綺麗な建物だったね。
ココは現代アートや色々なイベントが行われているらしいけど、今日はやってなかったみたい。
たとえばこんな。
草間彌生さんだね、アート見たかったし残念。
銀行の周りは海岸沿いでとても雰囲気が良かった。
いいカフェがないかなって周辺を行ったり来たりして、1軒のオープンカフェに入ったんだけど、お店の人も楽しかった。
暑いのでコーラーを飲みながらのんびりしてた。
といっても、すぐ横に大きな建築物があって景色がいいわけじゃなかったけど。
1番行きたかった幻想図書館に歩いてった。
商店街を歩いてるときれいなショップが並んでて楽しかった。フルーツシャーベットのジュースが売っていたのでコレ欲しいと指差したら実はシェイクで高かったけど。
うー前の人が頼んでた赤い果実のが飲みたかったんだけど…
雰囲気は悪くなってさびれた路地に変わり、危険な感じがしたので大通りを通っていく。
コーラとシェイクを飲んでお腹の調子が最悪に、どこかトイレ…
昨日通った商店街を抜けて、ここら辺かなと思ったら古そうな建物。
アレかな…
幻想図書館はなんかすぐに見つかったから拍子抜けした。
無料の館内に入って、あ~吹き抜けなんだね。
もっと歩いて館内を探索してみたかったなー。でも確かにハリーポッターの世界。
こんな素敵な場所が地球の歩き方に載ってないなんて。でもお腹痛いし、ココにはトイレないみたいだし。
しばらく本棚を眺めたりしてたけど、お腹の調子もピークになってた。
たまたま昨日の教会の近くの近代ビルのトイレに入ったらキレイでよかった。
国立美術館でチケット買おうとするとフリーっていわれた。
1階から3階まであって階段を使って観てまわった。
有名な画家があったわけでもないけど、3階には数mの巨大な絵画が飾られていて、ブラジルの動乱や独立戦争の様子が描かれてた。
1人1人が表情豊かで何かを必死にしてる。
何してるんだろ?
椅子に座って色々想像しながらぼーっとなった
現代アートもあったので写真をこっそり撮っといた。
隣にあった国立図書館は改装中?みたいで入れなかった。
道路の反対側にある市立劇場も入れないし。観劇のチケットないし、まだ昼だもんね。
ここら辺は古い建築物と高層ビルがきれいに混ざり合ってる感じ。
街のブロックが1つの島みたいでオモチャっぽくてかわいい。
少し疲れたのでカフェで休憩。
路面電車に乗りたくて売店の人に聞いたけど上手く伝わらなかった気がする。
オレンジジュースを買って細い路地を通って行くと着いた先には路面電車とシャッターの下りたチケット売場。
係の人に聞いてみた。
アレに乗りたいんだけど
もう終わったよ
でも人乗ってるじゃん
終わりなんだ、お腹減らないか、ここのレストランで食べて行かないか?
それはイイよ
いいから食べてけ
だからいらない!
日本人?
そうだよ
あはは、おーい、日本人だって!
全然英語が通じないし、レストランのオーナー?ほかの人を呼びそうになって話がイヤな方に膨らみそうだったので、慌てて会話を終了させた。
その場を去った。
う~ん、アジア人が珍しいのは分かるけど、ブラジル人はデカいし怖いよね。
次の目的地は現代アート美術館。
少し離れてるし海沿いの街の喧騒から離れた場所にあった。地図を見て気付いたんだけど、近くに空港がある。こんな街中にあるの?
空港に行くのにタクシー使わなくて済むし歩いて行ける…
後で分かるんだけども、この空港は国内線でブエノスアイレスには行けない。
ヤシの木の植えられた公園の奥にある巨大なコンクリートの建物が美術館。
とにかく行ってみる。
現代アート美術館は巨大だった。国立美術館よりずっと大きい。
入り口で700円の入場料を払ってペットボトルをバッグにしまうように言われる。
3層のフロアには横浜トリエンナーレで観たような作品が並んでる。
静寂の空間。
2階には大きなふかふかの座布団で横になって映像が観れて、コレは昼寝のワンチャン。
気がついたら寝ててウトウトできたし。
世界の有名な美術館の手提げ袋を集めた作品もあったり。
別館みたいな建物があったので、ドアを開けて行こうとするとダメだよって止められたけど。
美術館を出て外の公園で少しのんびりしてた。
ジュースを飲みながらヤシの木の陰で開放的な空間で海を眺めて過ごす。
気温は35℃、南半球は夏なんだ。
この公園は人気も少ないし気持ちがよかった。
もう夕方になってたのでホテルに向かって歩いてった。
と公園を出たら自転車に乗った男のコに声をかけられた。
今何時?
iphoneで時間を確認しようと思ったけど、前の日にiphoneの盗難が多発してるって読んだ。
ふっとバッグに伸ばした手を引っ込めて5時だよって伝えると、すごいスピードで走り去っていった。
普通、旅行者に時間なんて聞かないよね…う~iphoneを見せなくてよかった。
歩いてるとさっきの自転車によこを通り過ぎられる、狙われてるのかな?怖いな。でも、違うかもしれない。
カフェに逃げ込んでコーラを飲んで時間を潰してると、ほかのお客が食事を始めてた。
うー高いのにジャンクフードっぽくて食べる気にならない。たまには夕ごはんをって思うんだけど。
ホテルの手前でもさっきの自転車に通り過ぎられた。
なんなんだろう、海辺の公園から30分以上も離れてるのに。
売店でミネラルウォーターを3本買ってホテルに帰った。
部屋のあまりの暑さに呆然、これは洗濯物が良く乾きそう。
今日の分も含めてまた洗濯。
シャワーを浴びて寝る準備をするけど暑すぎて寝れなかった。外の気温が35℃で全然平気なんだから45℃近くあるのかも。
ドアを開けっぱなししてた。
人に見られるけど気にしてられないよ。汗でイヤホンが使えない。
今日は歩き回ったし色々観れて楽しかったな。
夜の街に涼みに出たいけど。8時まで明るかった空も真っ暗になってる。
黒い空を見上げて外の世界を想像する。
リオデジャネイロは犯罪都市、何より近くにいいカフェがない。