リオデジャネイロ 1月9日

今日は南米の高級リゾートのコパカバーナに行く日。
映画や音楽で子供のころから知っているその名前は、高級ホテルが立ち並んでて、マフィアが支配してる時代遅れのビーチって気がしてた。

リオデジャネイロは治安悪いから地下鉄と路線バスは利用するなって言われてる。
昨日の感じから大丈夫なんじゃないか?って思うし、1度は乗ってみるべきだし、何よりタクシーは高過ぎるから。
ビュッフェで健康的な朝食を食べた。
パンや果物、チーズ、パインジュースが美味しい。
部屋に戻ってシャワーを浴びて水着を下に着てホテルを出た。

公園の向こうに地下鉄の入り口があった。
大通りをこえて着いた薄暗い入り口には小さな売店が並んでる。たくさんの人がメトロに吸い込まれて行く。
キップは並んでる人がほとんどいなかったけど、駅員にコパカバーナって言って買った。
Suicaみたいなカードが渡された。
改札に通すとカードが出てこない?え?
よく見るとカードの出口もないし、他の人も特にカードを取ってない。
コレって出る時はチェックしてないってコト?1番安いチケットで良かったんじゃない?うーん。

ホームでコパカバーナの駅を確認するけど、そんな名前の駅はなかった。
LonlyPlanet持ってこれば良かった。
あ、あの水着の家族の後を付いていけばきっと大丈夫、きっとコパカバーナで降りるでしょ。

メトロは走り出して、何駅目かで家族が降りたので一緒に降りる。
よく分からないままこっそり付いてく。
地上に出ると緑の多い賑やかな場所。家族が売店で何か話した後に歩き出すのを付いて行った。
ビルの間を抜けて、広い道路の向こうにヤシの木の並ぶ公園とビーチ。
これがコパカバーナ?
広くて白い砂浜が綺麗だけど、人が少なすぎ?
公園を少し歩いて、コパカバーナか確認するともっと向こうだって。
途中で降りたってコト?

公園沿いに歩いてった。
暑い、どのくらい離れてるんだろ。
あの海の向こうに小さく見えるビル群の前のビーチなのかな?
遠いよ…

売店があったので聞いたら、近くの小さなボートハーバーを指差してる。
その向こうの山の先だって。

割高なオレンジジュースを買って公園を歩いてった。
歩いてると公園は海と道路に挟まれる芝生の細い道になった。直射日光がさす中、横を自転車が通り過ぎる。
暑くてつらい、汗だく。
ボートハーバーにバス停が見えるから適当なバスに乗るよ。
歩くのヤメ!

道路をこえた。バス停でコパカバーナと表示されてるバスを停めた。
山をこえたら、にぎやかな街並み。
少し古い高層の高級ホテルの間を抜けると、バスはUターン。
う、早く降りないと。
しばらくバスは停車するのに降りるタイミングを逃しちゃってた。
後ろに移動してドアの近くに、どこかにブザーみたいなのがあるハズなんだけど…
どんどんコパカバーナから離れていく。

あ、コレかな?
ぴんぽーん
押すとバスが止まった。

 

 

せまいビルの間を抜けた。ぱぁっ広い道路の向こうにひろがるビーチ。
たくさんの人とパラソル。
これがコパカバーナ?だよね。

せっかくの高級リゾートだし、カフェに入って少し高くてもいいから、美味しい物を食べてみたいな。

道沿いを歩いてガラガラのカフェに入ったけど呼んでも来なかったから移動した。
次のカフェに入ってメニューを見るとパスタが40レアル。
え?2000円?!高!
500円ぐらいのストロベリークリームってデザートを頼むと生クリームの塊に不揃いのイチゴが5個突っ込んである。
う、なんだコレ?
こんな店のパスタが美味しいハズがないよ。観光客向けのボッタクリ価格。
しばらくぼんやりして、会計を済ませて道路を渡ってビーチに行った。

 

白いパウダーの砂浜はとても綺麗、靴を脱いではだしになってビーチを歩いた。
人とパラソルの群れをよけてあるいてく。
海に足をつけた。
はだしの足を海水につけて波沿いを歩いていく。

海はそんな綺麗でもないかも、グランデ島と比較するのもアレだと思うけど泳ぐ気にはならないし。
たくさんの色鮮やかなパラソルに寝転ぶ人達。
バシャバシャとはだしで波間を歩く私。
水着、ムダになったな…
足で波の感触を楽しんでからビーチに戻って、シャワーで足を洗った。
どうしようか?
ビーチのアイスクリームショップで靴を履きながら考えるけど、もう5時過ぎてた。

バスで帰ろうかな。ここはもういいや。
街に戻った。
目的のバスが来て手を上げても止まってくれない。バス停は数10mごとに並んでて、それぞれ止まるバスが違うみたい。
向こうのバス停まで小走り。
そういえば路線バスも危険って言われてたっけ。

次のバスに乗ってセントロまで帰った。
バスは混んでてきついし、渋滞してた。
激しく揺れるバスの窓から大都市リオデジャネイロの喧騒を眺める。
パトカーのサイレン、
通りを早足で歩く人達
外は夕暮れになり、日も落ちていき、夜の街に変わってく。

バスは終着駅のセントロに着いた。
せっかくだからブラジル最後の夜は夕ごはんを食べるコトにした。
入ったお店でプレートを頼むとライスの上にステーキとサラダ、フライドポテト。
うーん、やっぱりジャンクフードっぽいし、カロリー高過ぎるし、量が多過ぎる…
コレがブラジル郷土料理なの?
きっと違う。

暗く翳り薄汚れた街並みと行き交う人々。
これからどうしよう…
ぼんやり眺めながら、蛍光灯のまたたく場末たせまい食堂でながれた時間。
ハンバーガーを食べる客や飲み物だけを飲む老親子、隣に座ってきた太った軍人みたいな人。
どことなく疲れた雰囲気の街の片隅の食堂。

今、日本から遥か遠く離れた南米の食堂の片すみで。
ほおづえをついてコーラを飲みながら、ぽつんぽつんと喧噪に混ざりこんで見えなくなる。