ヴァルナ 4月16日

朝、UFOの廃墟に行く方法をずっと考えてた。
今日もツアーは開催されなかった。
UFOの廃墟ってのは山の上に捨てられたブルガリア共産党本部のことで世界四大廃墟のひとつって言われてる。
辺鄙なとこにあるから交通機関がないし、けっこう遠かった。
調べてみるとレンタカーで行ってる人がいる。でもレンタカーは物価の安いブリガリアでも5時間で60ユーロもする、それに海外でクルマの運転をしたことないし…

 

あ、もしかしたらタクシーチャーターで行けるかもしれない。
急いで階段を降りた。
宿のおばさんに聞いてみたらチャーターできるみたい。60Lv(3600円)はキツイ出費だけど、世界四大廃墟に行けるチャンスなんてもう永遠にない。

タクシーが来るまですこし興奮してた。でもベランダで紅茶を飲みながら古都を眺めてた。今日は涼しいしイイ1日になりそう。
シャワーを浴びて荷造りをしてロビーに降りてバックパックを置いてミネラルウォーターを買いに行く。
まだ10分ぐらいあるから外でぼーっとする。

 

 

 

宿に戻って受付女子といろいろ話す、私英語ダメになってるような…
12:00になって表に来たタクシーに乗って手をふって別れた。
すごいイイ宿だったな。

このタクシーの運転手、めちゃめちゃ飛ばす。すっごい怖い。
ゆっくり走ってって言うけどノープロブレムって言って聞かない。
お前の問題じゃなくて私の問題なんだよ。高速道路を越えてガタガタの山道を荒い運転で走り抜けていく。

急に視界が開けた丘にタクシーは止まる。青空の広がる高原の上にその廃墟はあった。

 

ココからでも異常に巨大なのがわかる。
青空の向こうにコンクリートの建築。

ゆっくり高原を20分ほど登る。
奇抜なデザインの門、どこかに侵入する入口があるハズなんだけどな。
周りを歩いて探すけど見つからない。馬が何頭かいた。

 

1箇所だけ四つん這いになったらが入れそうな場所があった。頭をぶつけないように潜って入ったら真っ暗。
ぼんやりと暗闇に目が慣れてくる。
コンクリートで覆われた部屋のにいるみたい。2mぐらいの高さに穴があって隣りの部屋に抜けれそう。
小さな穴の向こうに降りたら戻れなくなるかもって気がついた。
あぶなかった、あと少しで行こうとしてた。
暗いコンクリートの壁に囲まれて大声で叫んでる自分を想像して背筋がひやってした。
四つん這いになって建物を出た。
どんなに探してもほかの入り口は見つからなかった。

タクシーに戻るとまた猛スピードでおりてく。
ゆっくりって言ってるのに聞いてるのかな…もうあきらめたけど。
山の途中にある塔で降ろしてくれる、観光スポットみたい。

塔のてっぺんからブルガリアの大地が眺めれた。
草原がひろがってる。緑のなかに茶色い街がぽつんぽつんとあって道路が結んでた。街がつながってる日本ではみれない景色。

 

 

そこからヴェリコ・タルノヴォに戻るまで疲れちゃってタクシーで寝てた。
戻ってから遅い朝ごはん兼お昼ごはんをにした。おいしかったカヴァルマって呼ばれる壷焼きとモヒートを飲んだ。
なんだか顔が熱くなってる気がする、え?モヒートってお酒だって?知らなかった…

 

 

WiFiをつないで、いっしょにゲームしたりして時間をすごした。
今夜、ネセバルに行くつもりだけどバスの出発は深夜。まだ7時間もある。

公園のベンチに座っていちごとメロンのアイスクリームを食べた。ブルガリアはアイスがホントにおいしい。
なんか公園に人が多くて、どこからか大きな音楽が聞こえてくる。フェスをやってる、ドローンが蝿みたいな音をたてて飛んでる。
にぎやかな露店が並んでる。

 

フェスはいろんな国が伝統的な踊りをしてるだけ。
退屈だけどバスの出発まで時間をつぶせるのがうれしかった。
何ヶ国かのパフォーマンスを見てから小さな食堂に入った。焼き飯と串焼きを頼んで3Lv(180円)。
ブルガリアは物価が安くて好き。

 

郊外のバスターミナルへ、すこし待たされて23:00のバスに乗り込んだ。
バスがなんか汚くてタバコ臭い。
きたない窓ガラスを拭いた。外はまっくら。
音楽を聴き始めたらすぐに寝てしまう。

 

1度知らない街で停まったような気がする。
あまり寝れないまま深夜2:30にヴァルナの街に到着。
ココでネセバルへのバスが出るまで待たなきゃいけないんだ。朝までいれる場所を探さないと…

ターミナルを出て深夜の街をすこしうろうろ、うー人がいなくて怖い…
これだったらターミナルにいた方がイイかも。
戻ると門が閉まって灯りも消えてた。

どうする?
近くのガソリンスタンドのカフェだけが開いてたので入ってアイスコーヒーを飲んだ。
ここは夜の黒海沿岸の街、ものすごく眠くて横になりたい。

他にお客さんがいない深夜のカフェで知らない音楽だけが流れてた。