ソフィア 4月4日
飛行機が中東のアブダビ空港に着いたのは朝。
SF映画のセットみたいなロビーは宇宙船みたい。
乗り継ぎは5時間もあったから、ゆっくり待てそうなロビーを探した。
コーランが鳴ってるロビーは放射状にリクライニングシートがならんでて蜂の巣みたい。
そして、ひときわ広かった。
ここなら時間をつぶせそう。
同じような旅行者かな?毛布にくるまって丸くなってる人がいた。私も椅子に横になって丸くなる。
ベルリンまでのフライトは隣りに誰もいなくて横になれた。
でも、よく眠れなくて。前のほうがガランと空いてたから移動した。
ほんと人が乗ってない。
うとうとしてたら、いつのまにかベルリン空港についてた。
搭乗券を持ってたのにドイツの国境を越えさせられた。でも、空港の人たちがやさしかったからいいけど。
乗り継ぎ時間が1時間もなくて、いそいでブルガリア行に飛び乗った。
ブルガリアの首都ソフィアに着いたのは夕方の6時過ぎ。
だけど…まだ外は明るい。
空港ですこしだけ両替した。
タクシーの客引きを断って外にあるバスターミナルへ歩いてく。
黄色いコンクリートと青空のバスターミナル。
市内へは84番のバスみたいだけど、来たのは384?
3があるけどイイのかな?
気がついたら乗ってた。
ドライバーのおじさんがおかしいって思ったみたいで声をかけて途中の駅で降ろしてくれる。
バスの番号84を紙に書いてくれる。大きな手で、ぎゅって握らされた。
降ろされたのは何もない郊外。
ここってソフィア空港の近くのどこかなのかな?
でも風がない。だから遠くを眺めれた。
84番のバスは市街地を走ってく。
公園でみんなが降りたから、何も考えないでいっしょに降りてしまった。
うあ…宿までぜんぜん遠いし…早く降りすぎたかな。
でも、せっかくだし歩いてこう。
地下道を越えて、公園を越えて、教会を越えてソフィアの街を歩いた。ソフィアはブルガリアの首都なのにすこし寂しいんだね。
宿のドアを開けた時、日本の家のドアを出て30時間たってた。
宿っていっても看板もないし…誰も人がいなくて。隣のレストランの人に話すと宿の人を呼んでドアを開けてもらえた。
エアコン、TVがあってベッドが3つもあるのに15ユーロ。
全部のベッド使ってイイよって笑っていわれる。
こんなにいらないよー
廊下にある共同シャワーを浴びた。
ベッドに飛び込んでサイコーしてたら、気を失ってた。
目が覚めたら夜中。
あ、寝てたんだ…お腹めちゃめちゃへってる…
階段を降りたけど誰もいない。
外の通りをパジャマでふらふら歩いた。誰もいない。11時過ぎてるから?お店も閉まってるみたい。
ここ開いてる?スープカフェ?じゃあスープとパン食べれる?
ピーマンの詰め物おいしい。ナスの炒め物もすごいおいしい。
ブルガリア料理じゃなくてトルコ料理みたいだけど…そういえば国境の南はトルコだったっけ、だからおいしいのかな。
いそがないでゆっくり食べよう。
深夜、客のいないトルコ料理屋。
TVからはサッカーの試合が流れてて、店員はTVに釘付けで…客は私だけ。
これから始まる旅のことを考えた。TVの音だけが聴こえてくる。