北京 10月13日
飛行機から見える大連。
遠くまで広がる丘に建設中の高層ビルやマンションが整然と並んでる…
茶色の建物と大地が夕日の逆光でぼんやりしてみえた。
イミグレーションでは入国審査の点数つけるボタンがあって、笑顔とか、ムスっとした顔のボタンとか、そんなのから選んでぽちって押す。
そういえば中国は入国が簡単な気がする。
空港で両替したらレートが悪い気がする。調べたら空港内の両替所は1000円の手数料が取られてた。
最初から知ってたらよかった。
外にでたらタクシーのおじさんに話しかけられた。
このまま飛行機にのって北京に行くから
ペキン?ペキンじゃなくてベイジュンっていうんだよ
ベイジュン?
そだったんだ、シャンハイはジャンハイだった。
話してると他のタクシー運転手も集まってきた。
審査を手伝う?そんなのいらないよ。それじゃあね、手を振ってわかれた。
カフェでガラスのジョッキにお茶っぱと熱湯が注がれた。
ノドが渇いてたのかな?とても美味しかった。
でも、西日がつらくて別のカフェに行ってアイスコーヒーを飲んだ。
なんでだろ?
さっきからiPhoneが充電できないんだけど…ケーブルの接続がわるいみたい。
カフェを出て出発ロビーへいったけど、出発までまだ数時間もある。
ロビーに備え付けられた充電器でiPhoneを充電したり、缶ビールを買って飲んでみたり、隣の人がやってるみたいにカップラーメン買ってお湯注いで食べたりしてみた。
早くおいしい中華食べたいな。
飛行機で茶色い大連を離れた。
広大で寂しい街。
着陸した夜の北京の滑走路を飛行機は走り続ける。
ターミナルがみえなくて、すごい広いね。無機物の飛行機が並ぶ行き止まりのない滑走路、流れる窓の外の真っ暗い地平線はなんでも飲み込みそう。
どうやって宿までいけばいいんだろ?空港のカウンターで聞くとタクシーで連れてってくれるって。
でも300元って?え、6000円?高いよ…
だから地下鉄に乗ってた。
たぶん北のほうだよね、何度か乗り換えてオリンピック公園とかいうトコで降りる。
うあ、夜の公園?誰もいない公園。
北京は思ってたよりずっと広いのかもしれない…巨大な建物が彼方まで並んでるし、1ブロックがすごく長い…どこまで続くんだろ…
今まで来た街とはスケールが違う気がする。
きっとココからなら宿近いだろうし、タクシー使っても良さそうだけど。あんまり走ってない。
どこまでも続く公園と巨大なマンションたち。気持ちも途方にくれてく。
やっと掴まえた運転手に住所を見せてもわかんないとクビを振るばかり。
3台目でやっと乗せてもらって、タクシーは夜の北京を走り出す。
全然近くなかった。タクシーはずっと走ってく。
タクシーは高速を抜けて、小道を抜けてった。
賑やかな通りでやっととまった。タクシー代20元(1元=20円)。あれだけ走って400円は安いかも。
あそこだよと運転手が指さす方向に宿はない。あれ?宿ないよ?
話しても英語が通じないから降りた。
近くの何かの店(宝クジ?)でiPhoneの地図を見せた。そのお店の男のコが親身に身振りで教えた方角に向かって歩いた。
まっくらで人気がない路を2kmぐらい歩いたかも、なんだか淋しい工場跡といった場所。
ダンプカーの群れが夜の路に並んでる。
ココのハズなんだけど荒れた工場みたいな建物しかみえない。
工場の警備のおじさんに聞くと工場の中に入れてくれた。コンクリート剥き出しの事務所は火がたかれてて暖かい。
やっぱりココの住所は違うみたい。北京の住所はブロック単位だからって身振り手振りで教えてくれる。
よく分からなかったけど、いれてくれたあたたかいお茶で手をあたためた。
おじさんが外に停まってるタクシーに話してくれる。
このコを宿に連れてってあげて
ありがとうって言おうとしたら、おじさんはもう建物の中に消えてた。
タクシーは最初のとこまで戻ってきた。
タクシーを出て歩き回って宿を探すドライバー、私もいっしょに出て探すと座って待ってろって怒られた。
最後に電話かけて確認してくれて、すこし離れた宿から迎えに来てくれた。
やっと着いた宿はロフトの付いたキッチンもある広くて綺麗な部屋。
窓の外には公園と旧い団地とその向こうに高層マンションがみえた。
きっと北京のすこし郊外なんだね。
公園の街灯、誰も歩いてなんかいない。
旅の初日、初めての中国。
淋しい北京の郊外でシャワーを浴びて、ロフトのベッドから窓の外をみてた。