敦煌 1月25日

敦煌という名前は聞いたことがあった。子供のころに何処かで耳にして知ってた。
中国の西域の物語、砂漠と戦乱…みたいな感じ。
膨大な石窟の莫高窟、そして砂漠にぽつんとある月牙泉はどこかで写真でみたことがあるかも。
でもそれが敦煌だって知ったのはこの街に来てからだけど。

そして玉門関っていう世界遺産があるらしいのも知った、漢の時代の建物らしいんだけど。
昔はこの玉門関が万里の長城の西端だと思われてたみたい。
今日はその玉門関にいってみるつもり。

敦煌の街の西にバスターミナルから玉門関までのローカルバスが出てるみたい。
朝10時くらいにバスターミナルまで歩いてると、あとすこしでバスターミナルにつく…ってとこで向こうから走ってきたバスに声をかけられた。
ドライバーさんが何か私に叫んでる。
あ、もしかしたら…ドライバーさんのとこまで走ってった。
「玉門関」の文字をドライバーさんにスマホでみせると大きくうなずいた。

よかった、すごい運がよかった。
このバスを逃すと数時間待たなきゃいけなかったかも。ドライバーさんもたまたま歩いてた私を観光客だと思ってみつけてくれたんだ。

バスのなかはローカルな人たちが数人いるだけ。買っておいた中華まんをごそごそとビニールから出して食べる。
窓のそと遠くに山脈がみえる。
あの山脈が砂でできてる…なんて言っても信じられないと思う。でもあれは砂漠なんだ。
景色はだんだんと荒野になってった。

ハイウェイをそれて玉門関の入り口で降ろされた。
次に来るのは12:30だよってドライバーさんは親切に教えてくれた。

玉門関は立派な建物が作られてるだけあって入場料がとられた。
園内は有料のバスが走ってるけど、お金のない私は歩いてく。
遠くの丘の上に崩れかけた遺跡がみえた、きっとあれが玉門関なんだ…
周りの自然の風景は不自然な映画のセットのように感じる。それが遠くにあるようにみえるけど、実は近くにある鮮やかな緑の丘のせいだと気がつく。
そういえばイランのレインボーマウンテンもそんな感じだった。
世界にある不自然に色鮮やかな山々は、実は小さい丘で丸っこいのかも…
違和感のある不思議な空間。
写真をたくさん撮ったけど、うまく撮れなかった。

バスの時間が迫ってたから急いで入口までもどった。
12:30にバスがぴったりやってくる。
再会したドライバーさんは頷くだけで真顔だった。きっと真面目な人なんだ。

街にもどる途中で敦煌古城でおろしてもらった。
私はここに昔の街が遺跡としてあるんだと思ってた。
でも歩いてると人が住んでないし、綺麗だし、家の中まで入っていける。家の中にはドラマの写真のようなものがたくさん飾られてる…
敦煌古城を歩いてて気がついた。
ここは街全体が映画の舞台のセットなんだ。

玉門関にはいっぱいいた観光客も敦煌古城にはいなかった。
楽しい、誰にも邪魔されずに架空の造られた街を探索できるなんてすごい贅沢だとおもう。
古城の外では馬に曳かせた戦車が走り回ってる。
その音が城内まで響いてくる。
街も場所によって雰囲気が変わる。かっちりとしたお寺からボロイ貧民街ではボロボロの旗が風に舞ってた。
でも寒いね…

ひとつの建物から人の気配がする。
建物に入ると暖炉の前で老夫婦が座って談笑してる。

私が日本から来たと知ると、席をあけていろいろ教えてくれた。
敦煌古城は古い日本の映画「敦煌」が撮影されたときに造られた映画のセットなんだって。
そのあとも西域のドラマが撮影されるたびに改築が続けられて、今のような規模になったみたい。

暖かい暖炉とお茶がうれしくてしばらく話を聞かせてもらった。

帰り荒野に立つ小さなバス停でバスをまってる。市内ににもどるバスはなかなか来なかった。
敦煌古城…ほんとうに来てよかった。