イグアス 1月1日

起きてちょっとしてから昨日のサンドイッチの残りを食べた。
ひとつだったのに量が多くてつらくなった。

iphoneにTEL。

1年以上も連絡を取り合っていない友達。
名前をみたとき、身体が固まって出れなかった。
少し考えてかけなおす。

電話した?
したした
急にどうしたの?
どうしてるのかと思って
ああー年明けかー
なんかね話しにくかったし
今南米
なにそれ?
かなり回復したんだよ
何かすごいね
そうそう一人旅してる…(だから通話料すごいよ)

友達は相変わらずで、帰国したら飲んでクラブに遊びに行く約束をした。
気持ちが大学の感覚に戻った。
世界一大きいからって滝なんて見に行ってどうするんだろう?ただの滝でしょ?
大学にいたときはニヒルだった。

しばらく横になって天井をみてた。
でもこういうのは歩いていろいろ感じて気持ちを変えればいいよ。
起き上がった。
銀行に行かなきゃ、換金してペソを手に入れないと、それでイグアスの滝のチケットと宿代を払わなきゃ。

歩いて昨日の銀行へ行くと閉まってた。
あ、きょう元旦だっけ!どうしよう。近くの旅行代理店に行くとアジア人の女子がいる。
銀行が閉まってるけど換金できない?
もしかして日本人?
イエス、あ、はい

彼女は日系の2世で英語よりも日本語が得意なんだって。
いきなり日本語を聞いてびっくりして英語で返した。彼女もよく中国人か韓国人に間違われるって言ってた。
そうかも。旅をしてきてマチュピチュとウユニ以外では日本人には会わなかったから。
日本人は観光地だけを見て帰る人が多いのかもね。
いろいろと話をしながら日本語を使う機会のないイグアスで勉強するのは大変だろうなって思った。
お互いにとても嬉しい偶然だったんだろうね。ずっとしゃべってた。
ホテルでならきっと換金できるっていわれたから、いっかい帰ることにした。

ホテルで100ドルを換金…してくれない。
お兄さんが銀の器に入ったマテ茶を渡してくれる。コップみたいな器にお茶の葉が入っていてお湯を注いでストローで吸うんだけど。
人が使ったストローに少し抵抗を感じながら、その気持ちが嬉しくて美味しく飲みました。
オーナーがやってきた。ホテル代を100ドルで払ってお釣りをペソでもらった。

これでイグアスの滝にやっと行ける。
ホテルの近くのバスターミナルまで歩いてった。どこでバスのチケット買うのか聞いてもおじさんの指示が怪しい。
外を行ったり来たりしながら、ターミナル内でチケットを買ってバスに乗車した。

バスは村を抜けてジャングルの中の舗装された綺麗な道を走ってった。
20分ほどでイグアス国立公園の入り口についた。3000円ほどの入場料を払って中に入る。

国立公園の入り口で観光列車にぎゅうぎゅうに詰め込まれた。
イグアス国立公園は広くてアルゼンチン側は鉄道まで走ってる。いちばんの見どころは悪魔の喉笛っていわれてて、公園のいちばん奥にあった。
列車はすぐ満員になる。
乗れなかった日本人旅行者っぽい人が次の列車を待ってるのが見えた。こんな暑いのに長ズボンにデカいバックパック、ホテルに置いてくればいいのに…次の街に移動するのかな。
彼は観光客だらけのイグアスでめちゃ浮いてた。

列車は走りだしてジャングルの中をゆっくり走ってった。
途中の駅で止まるとスペイン語の放送があった。乗客はみんな降りて並び直してた。
なんでだろ?次の駅じゃないの?乗ってたらマズイのかな?
よく分からなくて同じように降りて並んだ。
しばらくすると、さっきの日本人が駅まで歩いて来た。彼はそのまま乗客が降りた列車に乗った。
自分だけ乗ってるコトに違和感はないのかな?
そして汽笛がなって列車が走り出す。元の来た方向に。
その人はみんなの見守る中、公園の入り口まで列車で戻っていった。

終点の方から列車が来たので、ぎゅうぎゅうになりながら乗車。
ジャングルのなかを走ってく。
黄色の蝶の群れを見た。
ものすごい数の黄色い蝶たちがジャングルを舞ってる。

15分ほどで終点についた。
悪魔の喉笛までは橋が続いてる。湖みたいに広くて浅い川に小さな島がぽつぽつ、そこを橋が渡ってた。
ナマズやカメが泳いでるのがみえる。
写真を撮る人達、ここは旅人より観光客が多い。

 

これが悪魔の喉笛なんだ…もっと下をのぞき込む感じだと思ってた。
思ったほど怖くはなくて、ベストの場所をキープして写真を撮ったり、流れ落ちる大量の水を眺めてた。
轟音が鳴り響いてて滝というよりダムが決壊したみたい。
膨大な量の流れ落ちる水を見てると視界がぼんやりして模様が変わっていってるだけのように錯覚する。
消えることがない虹を見ながら30分、ぼんやりしてた。

 

途中の駅まで列車で戻った。ここから入り口まで国立公園を歩いてくことにした。
歩きながら見える滝と川はホントに素晴らしくてジェラシックパークみたい。悪魔の喉笛よりコッチの方がいいね。
5時間かけて全てのコースを歩いてった。

 

 

イグアス国立公園はアルゼンチン側とブラジル側に分かれているのだけれど、アルゼンチン側の方がいいみたい。
今日、アルゼンチン側を歩いて滝には満足してしまってた。
カフェで休憩して歩いて入り口まで帰った。
歩いてて誰にも会わなくなった。
広がる青空と開放的な道はココがジャングルの中だというコトを忘れさせた。

 

 

インディオがアンデスの民族音楽を演奏してた。
家族?小さな女の子も必死に笛を吹いてる。
それにおばさんがお菓子をあげるんだけど、次々とバッグから出てきてドラえもんみたい。
私もお菓子持ってこればよかったな。

イグアスの滝、ばいばい。
バスに乗って国立公園を離れた。

バスターミナルにもどってすぐに明日のリオデジャネイロ行のバスチケットを買おうと思った。
アルゼンチンからのバスは明日はないんだって。ブラジル側のバスなら乗れるみたい。

ブラジルの旅行会社でチケットを取ろうとしたら結構手順が大変みたい。
タクシーでアルゼンチンからブラジルに越境して向こうのバスターミナルで乗らなきゃいけないみたい。
同じイグアスの街だよね、歩いて越境したいんだけど
2時間以上歩くからムリだよ、あはは

うーん、川を挟んで1つの街なのに。
バスチケット7000円。
うわぁ高い、そんなにペソないよ
あはは、明日は銀行開いてるから大丈夫
どのくらい乗るの?
26時間かかるよ
あーそれは構わないよ

受付の女の人はとても親切で地図を広げて書き込みながら説明してくれる。とてもよく笑うのでコッチも笑っちゃう。
リオデジャネイロとイグアスを結ぶバスは3つの旅行会社があって、その中でPLUMAは臭いとか汚いとか悪評が高かったし、今話してる旅行会社がそのPLUMAだというコトに気付いたのだけれど、この人がすごく親切だったから断れなかった。
明日の朝に換金したペソを持ってくるコトを約束してホテルに帰った。

そういえばホテルのWifiなんだけど、2つあって私の泊まってる棟はよく切れる。
すこし暗い外の廊下の椅子に座って繋いだりして日記を更新してた。

部屋でごろごろしてた。外では家族が料理してる。
突然の強風。
ドアの下から葉っぱが大量に舞い込んでくる。
部屋で葉っぱ舞ってる。

あ、ハリーポッターみたい…

そのとき、いきなり停電した。真っ暗い部屋でしばらくぼーっとしてた。
ほかの客はろうそくを受付でもらったりしてる。
結局最後まで電気は復旧しなかった。次の日はバスに乗るので2日間はWifiに繋がらなかった。

今日はよく歩いてたのしかった。
真っ暗な部屋で明日のコトを考えた。
ホテルの前のお店で買った小さめのサンドイッチを食べながら、リオデジャネイロの沖に浮かぶ南の島のコトを考えてた。