ブルノ 5月17日
この旅の終着点はプラハ。
ウィーンからチェコに入って街を転々としながら北上していこうって思った。
荷物をまとめてアパートの部屋をでた。
鍵をハウスキーパーに渡してウイーンの街を歩く、洗練されててアートで好きな街だったな。
メトロに乗ってバスターミナルのある郊外の駅へ。
途中、間違えて降りちゃった駅の天井がガラスになってて透明な青空が見えた。
誰もいない生活感のない駅でひとり。
郊外の駅を降りてみえる目の前の大きなショッピングモール、その向こう側にバスターミナルはあるみたい。
iPhoneを見ながらバックパックを背負って歩いてく。
ショッピングモールの裏手に行くとバスターミナルが見つかった。チケットオフィスってあの小さな小屋かな?でも窓口に誰もいなくて、もしかしたらお昼休みなのかも。
しばらくベンチに座ってるとメガネの似合うガリガリに痩せたおばさんが小屋に入ってった。
2番目に並んでBrnoまでのチケットを8Euroで買う、怖い感じのおばさんかと思ってたら親切だった。ウィーンは店員さんが優しいなって思う。
バスの出発までまだ1時間以上ある。いまのうちにウィーン土産を買うことにして、通用口からショッピングモールに入ってみた。
ウィーンなのに安いお店が多くてうれしい、Tシャツが5Euroとか、デザインもイイな。
広いショッピングモールを歩いてて向こうに見えたのは1Euroショップ?!ダイソーみたいな感じ?
帰国して使うものを旅先で揃えれたら素敵だなと思ってたし、ペンとかピンとかそういう日用雑貨を旅の思い出のものでそろえれたら。
歩いてみてみると全部の商品がぴったり1Euroってわけじゃなくて、だいたいがそれぐらいってことみたい。広い店内をうろうろしてまわる。ボールペン4本とガラス瓶、ホッチキス、ネイルアート、トートーバッグ、ミネラルウォーターで10Euro。
トートーバッグに今まで買ってきたお土産を全部詰めた。
サイフのコインが残り3.6Euro、できれば使い切りたい。3.2Euroのサンドイッチを買ってバスターミナルのベンチで食べた。
昼下がりの何もないウィーンの郊外。
ちょうど食べ終わったぐらいで待ってたチェコ行きのバスが来て乗り込んだ。
あーシートにTVが付いてる!オーストリアのバスは豪華、たった8Euroなのにね。
ばいばい、ウィーン。
バスからみえる景色はずっと見てきた東欧の草原とぽつぽつと生えてる木々。音楽を聴きながらチェコの国境を越えてった。
国境沿いのブルノの街は、ウィーンの洗練された街並みに慣れてると汚く治安が悪くみえた。
どこかで両替しないとトラムにも乗れない。宿の方角へ歩きながら両替所を探した。なんだか駅地下の服を売ってる汚らしいショップの間を行ったり来たりする…両替が見つからない、もしかしてこの街は旅行者が少ないのかもしれないって不安になる。
両替を探すのをあきらめて宿に向かって歩くことにした。
Googlemapだと2kmの距離、だったら歩いて30分だよね、初めてきた異国の風景だから30分ぐらい歩いてもつらくない。
郊外の道路に沿って歩いてく。ブルノはウィーンみたいな都会さがなくて工場みたいな雰囲気。
30分後、ひとけのない公園を抜けたさきに宿を見つけたんだけど鍵がかかってて入れない、誰もいないみたい。
またか、もうこういうの慣れちゃったよ。
しばらく待ってるとクルマが宿の駐車場に入ってきた。話すと同じ宿のお客さんで同じように宿に入れないで困ってるみたい。オーナーにはもう電話をしていて、17:00にスタッフが来るみたいって教えてくれた。
1時間後、宿のおじさんがクルマで現れた。
待たせたぶんをディスカウントしようとしたけど、してくれない、かわりに朝食がタダになったけども。あと40Euroを1080Kn(チェコの貨幣はクーネ)に両替できた。
ずっと待ってて、やっとチェックインできてうれしい。
1階にはケトルと冷蔵庫もあった。貯まってた洗濯をして部屋に干した。
もう外は夕方でご飯を食べに行くことに。ずっと自炊だったから久しぶりにレストランで食べたかった、最後にレストランで食べたのはブダペストだから10日以上まえだし。
チェコは夜は早く閉まるのか近くのレストランが開いてなかった。
すこし歩いて1軒のレストランに入ったら、おじさんたちがビール片手にスポーツ観戦してる。食事って雰囲気じゃないし、メニューもわからなくて、私も弱腰になってビールを頼んだ。
チェコにきたからチェコビールは飲んでみるつもりだったけど…まさか初日からとは。しかも出てきたのは樽みたいなジョッキ!これで26Kn(106円)は安いよ、それより何か食べたいよ。
気がついたら勧められるまま2杯飲んでしまってて、ふらふらになってた。
酔ってお店の外に出ると広い場所にぽつんと建つ工場ビル、鮮やかな月がかかってて綺麗。
夜、マーケットを探して誰もいない郊外の街を歩いた。光り輝くトラムはサーカスの寂しい箱みたい。
音楽を聴きながらステップを踏んで一回転した。
誰もいない夜道、動いてるのはクルマのライトだけ。いまはイヤホンから聴こえてくる音楽が世界。