ブエノスアイレス 1月10日
ホテルをチェックアウトしたあと時間余るし、この部屋は暑すぎていれないし、リオデジャネイロで行きたいトコはもうなかった。
ん、おととい行った海の近くのカフェは雰囲気良かったし好きだったな。
そこでだらだら時間を潰してもイイかも。
リオデジャネイロでは荷物を持った旅行者をぜんぜん見なかった。みんなタクシーで移動してるの?
ビュッフェで朝食。キッチン側のテーブルに座った。
南米ってジュースがめっちゃ美味しい、絞ったばかりという感じ。もちろんコーヒーもすごく美味しいんだけど。この搾りたてジュース、日本でも出来ないかと思う、ミキサー買って、果物放り込んで作るだけだとしたら簡単だし。帰ったらやってみようかな?
部屋を片付けて、洗濯物を取り込んだ。液体洗剤は昨日で使い切ってしまったけど、もう洗濯は必要なさそう。
少し動くだけで大量に汗が出てくる。またシャワーを浴びた。
このホテルのシャワールームはホントに綺麗。浴びた後に冷たい水を飲んで、最後の荷物を詰めてチェックアウト。
廊下の掃除のおじさんに鍵を渡す。すれ違った受付の人にチェックアウトを伝えた。
チャオ、チャオ、良い旅を。
重いキャリーバッグをガラガラと引きずりながら海を目指した。
タクシーに声をかけられる、ん、アッチに行くから。
リオデジャネイロ、人が早歩きの落書きだらけの物価の高い近代都市って感じで、あまり好きになれなかった。でも、セントロを歩き回ったのは楽しかったな。
きっと私はのんびりした街や国が好きなんだろう、ブエノスアイレスは大都市みたいだけど。
カフェに着いてバッグを店側に置いて、暑いのでコーラを飲んだ。
ココはすぐ横が壁なので眺めは良くないんだけど。
氷はあっという間に溶けてしまって、ぬるくなった最後のコーラをグラスに注ぐ。早めに空港に行ってエアコンの効いた中でのんびりしようかな。
おばあちゃんを降ろして荷物を手伝ってるタクシーを前の通りに発見。あのタクシーならボッタくらなそう(バスターミナルのタクシーでボッタくられたから)
タクシーの窓をドンドン、空港行きたい!
空港名でひと苦労、アントニオ・カルロス・ジョビン国際空港って言うらしいけど長すぎて覚えてなかった。
ブエノスアイレスに行きたい、エアポート
インターナショナル?
うん、優しそうなおじさんの運転するタクシーに乗って海岸を進んで行く。旅の感覚がよみがえってくる。
タクシーは大きな橋を渡って空港に。
あ、ターミナルAだよ、Cじゃないよ!
だからAだって
ホントだ、ごめんなさい
空港に着いてカウンターへ。この航空会社ドコ?アッチだよ。
行ってみたら誰もいない、聞いてみたら1時間後だって。
何処で時間を潰そうかな。
ココは空港の3階で2階にレストランが集まってた。スタバは高いしってウロウロしてると、奥まったトコロにパンとコーラで600円のセットの文字。
ビュッフェでお皿に好きな料理を乗せて支払うみたい。新鮮そうで美味しそう。
サラダやエビフライを乗せるだけ乗せて会計する。計りの上にお皿を乗せてる。う、ひと皿じゃなくて重さで決まるの…
予算オーバー2000円を超えてしまった。たったコレだけで?!そんなに持ってないよ…いや、あるけどバッグの奥だし。
最初のパンを返す。まだダメ?
バックを開けてこんなトコロで荷物広げたくない…
許してもらった。
外にある安っぽいテーブルで食べるてるけど、2000円にダメージ。
コーラを片手に3階のカウンターまで行くともう並んでる人達。まだ受付は始まってないみたいで、ベンチにバッグを置いて待つ。
アラブ系の航空会社?民族衣装が綺麗。
受付が始まったので並んでると、文句を言ってる太ったおじさんがいる、何言ってるか分からないけど、ああいう客は困りそう。
窓際はムリだったので通路側だけど、笑顔で何か言ってる?後で分かるんだけど真ん中の席1列あなたのものですよって言ってたんだね。
ブラジルの出国は記憶に残らないほどあっさりしてた。
飛行機に乗ると、飛行機が動き始めても誰も隣に来ない。
他は埋まったりしてるのに。
受付の人に感謝、コレって横になって寝ていいの?ファーストクラスみたいに。
TVも付いてるし、充電できるし、綺麗だけど、エアコン効きすぎて寒い。
歩いて行ってブランケットをもらった。
2時間程度のフライトなのに機内食まで出るし、アルゼンチン航空みたいにサンドイッチじゃないし。安いし。
こういうヒコーキがもっと増えればイイのに。
ブエノスアイレスの国際空港に来るのは2回目、イグアスの滝への乗り継ぎで1度通ってた。
顔写真と指紋を取ってアルゼンチンに入国。地球の歩き方によると空港の外でタクシーを拾うと安いみたい。
外で声をかけられて350ペソ(4500円)って言われた。
高すぎるよ。地球の歩き方の210ペソ(2700円)を指差す。ハンドブックはこういう時にとても便利。
相乗りならってコトで200ペソ、もう1人のおじさんは250ペソだって。
空港の駐車場を3人で歩いてくと、タクシーには見えない普通のクルマ。
う、不安…
走り始めて何もない道端に止まった。
な、何?まさか2人してグルなんじゃ?こんな平原の真ん中で?
何やら行き先の住所を聞いてくるので適当に地球の歩き方の安いホテルを見せると何かに打ち込んでた。
小型のナビで音声で道案内してくれるみたい。
おじさんと運転手は陽気に話してる。外は木立ちの広がる平原から郊外に、夕方から夜になった。
空港、すごく遠いんだね。
そして巨大で威圧のある西洋建築が並ぶブエノスアイレスの街に入った。南米のパリと言われてる。
重量感のある建物は圧巻だった。街並みは古いのに活気に満ちた夜の街。
おーってなる。近代建築では感じれない重量感と巨大感。
タクシーの窓に顔をつけて、口をぽかんと開けて通り過ぎていく建物を見上げる。うーデカい。パリの建物ってこんな大きかったっけ?
先におじさんが降りて、目的のホテルの前に降ろされた。
中に入ると蛍光色で彩られたロビーとイケメンのお兄さん。ちょっと座って待ってて。
奥の部屋のソファーに座って待ってた。
ココはホテル内の小さなBarで4人がカウンターに腰かけて話してる。カップルが音楽に合わせてタンゴの先生に指導されながら練習してる。
きっとバックパッカー向けのホテルだね。
客やホテルの距離感がすごく近い感じが伝わってくる。オープンな雰囲気。
ドミトリーのみのホテルだそう。近くに安いホテルある?そこの通りを左に曲がった先に3件ほどあるよ。
行った先にホテルはあるのだけどフルだった。
そこで紹介された住所を頼りに歩いていると知らないおじさんが近づいてくる。ついてこいだって。
道を教えてくれた。
このおじさん、14年前に移住してきてココに住んでるんだって。子供も家族もいるんだって。
とても真面目そうな人。住所を見ながら指をさしたあたりに行くけど、ホテル見つからない。駐車場はあるけど。
ここから先は大変だった。通りの反対側のホテルに聞くとフル。次に紹介されたホテルもフル。また紹介された高そうなホテルもフル。そこで紹介されたBarのある緑のホテルもフル。また紹介された古びたエレベータのあるホテルもフル。そこで紹介された緑のホテル…
うーそこから来たんだよ。
もう2時間近くバッグを引きずって歩いてた。
あら、じゃあこのホテルは大きいから空いてると思うよ。
お姉さんは地図取り出して印をつけてくれるけど道路の真ん中に線を引く。どっち側?でもありがと!
2時間もホテル探し。限界、疲れた、最初のドミトリーでよかった。
夜のブエノスアイレスを荷物を引きずって歩いてもホテルが空いてるとは限らない。
ん、野宿かな…
教えてもらってついたホテルは壁一面にアートが施されてるホテルでこれもイケメンのお兄さん。
サンテルモ地区って安宿街って聞いてたけど、バックパッカーの宿ってコトなのね。
みんな若くて笑顔で優しいのうれしい。
このお兄さん、冗談ばっかり言ってて楽しいんだけど。口笛吹いたり、指ならしたり、軽い。
空いてる?
フルだね、そこのソファーで寝てもいよ
2時間も歩いて疲れたよ
はい、マテ茶飲む?
ありがとう
色々と話してて思わず笑ってしまった。
カウンターに肘をついて頬杖しながら色々と話す。ペルーのリマから来たんだよ、バスで、ずっと1人なんだ…
明日なら空いてるけど、問題は今日の君のホテルだね、今から電話で探すよ
ホテルリストみたいなのを広げて1つ1つ電話してくれる。
でないな~とかフルだね~とか言いながら。
途中でホテルに泊まってる女のコが来て上目使いでもじもじしながら何か相談してる。
それに冗談で返して、そのコも吹き出してる。わかる、その気持ちわかる。この人に冗談言ってもらえるのはうれしいよね、甘えちゃうよね。
カッコよくて親切だけど、軽くて楽しそうだから、コッチが申し訳ない気持ちにならないよね。
何件目かで空いてるホテル見つかり、地図に印をつけてくれる。
明日はココに泊まりたいな
オーケー、名前教えて
なんか元気になった。
教えてもらったホテルに行ってもホテルがない、近くのガレージで集まってるおじいちゃんに聞くと。あ~すぐ横に看板出てた。
ホテルに入るととてもイイ感じ。
おとなしそうな人が受付で丁寧に教えてくれる、めっちゃ冷えたミネラルウォーターを買ってチェックイン。
300ペソ(4000円)、少し高いけど部屋広すぎる。ベッドが3人分、エアコン効いてるし、天井が5mぐらいあった。
ベッドに身を投げて天井を見上げる。天井でゆっくり回る扇風機。
コレでホテルの心配はなくなったし、安心、しあわせ。
少し休んだらシャワーを浴びてロビーに行こうかな、休んでる人も何人かいたし。お祝いに何か飲みたい。
部屋にある別のドアは開かなくて、シャワールームかと思ったんだけど、共同シャワー使うか…
シャワーを浴びてから、ロビーでビールを飲んだ。
壁に貼られているたくさんのバックパッカーのメッセージ、色とりどりの布で飾られた壁や階段、おしゃれなポスター。
色々と旅してきた人達がココを通過して行ったんだろうな。
私みたいに南米横断してきたり、ヨーロッパ、アジアから来ましたとか、世界一周してる人とか。
どこか懐かしい感じのするロビーで流れる音楽を聴きながら、今は安心感で沈み込んでるけど。
ポストカードをいくつかもらって部屋にもどった。
日本の自分の部屋より落ち着く。
寝てもいいけどもったいない気もする。ポストカードを眺めながら、なんか懐かしい感覚。