コーチン 11月2日

宿の前でバス待ち、8時に来るハズなんだけどやっぱり来ない。1番最後にここに来るから遅いみたい。
今日はバックウォータークルーズに参加する。ケララの水郷地帯を手漕ぎボートに乗ってのんびり旅する。
15分ぐらい遅れてきたミニバンに乗って南のアレッピの街へ。
南インドは11月でも暑い、窓を開けると風がびゅんびゅん入ってくる。
途中で他の客も乗ってきた。
1人欧米人が道の途中でバンから降ろされてた、運転手にトゥクトゥクで行けとか言われてる。クルーズのお金(3000円ぐらい)を払ってなかったのかな?
アレッピで会おうね
そうだとイイけど

運転手のインド人のおじさんは携帯で連絡を取りながらクルーズ客を拾っていく。
舗装されてない土の道をガタゴト。

アレッピに着いたみたい、小さな売店の前で停まった。
これから8時間もあるんだっけ、トイレに行ってミネラルウォーターを買っておいた。
軒先で雨を避けて待ってた。傘買う?

ボートの準備ができたみたいで、おじいさんについて道路を渡ってジャングルを進んでいく。
川べりに木で編んだボートが並んでた。結構大きいしアジア感あふれてる、それに天井があって傘買わなくてよかった。
ボートの中は木で編んだイスが2列並んでてスペースも広くて足も伸ばせてすごく快適。
おじいさんが櫂で川底を押してボートは岸を離れた。

大きな川をゆっくり音を立てずに進んでいきながら、すれ違うインド人家族の乗ったボートに手を振ってた。
小さな川に入ったあたりで土砂降りになった。
灰色の空と雨の音、水面の波紋と覆いかぶさる木立。
陰鬱な景色で戦死した兵隊の墓地が頭に浮かんできた。ザーザー雨と無数の水しぶきの音、ひとりの世界に入ってしまってた。周りの声が聴こえなくなった。

小さな川を抜けたあたりから青空が広がった。水牛が川から顔を出してる。
前に座ってるイギリスのおじいちゃんが木から果物をむしり取ってた。食べれるか聞いたら食べれないって。
果物の切り口から白い液体が垂れてきて慌てて川に捨ててた。

 

 

 

ボートは岸に停まった。木板を渡って小さな工場みたいなとこに連れてかれる。白い粉が山のようになってた。ここで貝殻を石灰にしてるんだって。
石灰は触ると暖かかった。

小さな小屋でお昼ごはん。泥だらけになったスニーカーをミネラルウォーターで洗った。
イスに座って待ってると葉っぱのお皿にライスや豆カレーが乗せられる。
へぇー葉っぱのお皿なんて初めてかも、味はそうでもないけどツアーだし仕方ないね。
ライスが減ってくると追加でカレーと一緒に盛られる。
前のテーブルの旅慣れてそうな女の人は手で食べてる…カッコいいな…
他の人たちが話始めたんだけど、私は英語がヘタではじめは黙って食べてた。
隣の人に話しかけられたらフランスでバンドをやってる人で上海に留学してたんだって。
私ね、北京、上海、香港って来たんだよ
フランスのM83とかエール、ダフパンの話をしてたら、日本のワンオクの話になった。

 

 

スペインのフォーシーズンホテルで働いてる人がみんなと話してて、最初ごつくて怖いのかなと思ってたけど。
ボートは岸に着いてクルーズは終了。
ミニバンでフォートコーチンに帰る。
隣に座ってるイギリス人のおじいちゃん、いつも落ち着きがない感じでキョロキョロしてるけど、明日はゴアに行くって言ってた。私も行こうかな…

 

フォートコーチンに着く前からすこしずつ客は減っていって最後私ひとりになった。
宿の近くの十字路でバンを降りた。
まだ夕方だし宿に戻ってもな…お土産物を覗いたりしてうろうろ。
昨日のバラの石鹸の匂いがきつかったのでLuxを買い直してたんだけど、せっかくのインドだし、新しくオレンジ石鹸を買いなおした。
ケララはアーユルヴェーダが盛んで石鹸も種類がめちゃめちゃに多くて、はちみつやミルク、塩…200円ぐらいできれいな石鹸が買えた。

ツアーカウンターで明日のゴア行きの鉄道チケットを予約したんだけど夕方の6時にならないと取れないって。
宿に戻るとお兄さんに6時のチケットはすぐ売り切れるからムリだよだって。この人は明るくて楽しいけどボディタッチの多い人。
やっぱり結局6時のチケットは取れなくて、ツアーカウンターと宿を行ったり来たりした。お兄さんと相談したんだけど明日の朝に駅で夕方発のチケットを買ってフォートコーチンまで戻ってくることになった。

すこし疲れてTea pot cafeに行った。
このカフェ2階もあるんだよね、階段を上がるとかなり暑くて一瞬で降りた。
昨日と同じ席に座ってダージリンとケーキを食べながら時間をすごしてた。
そういえば昨日行ったケララカタカリセンターで今夜はインドの伝統音楽を200円でやってるそうで楽しみ。

 

伝統音楽はダブラとシタール、客は私入れて5人ぐらい。
席を空いてる1つ後ろに移動して聴いてたら眠くなって、うとうと、すごい音が気持ちイイのもあるけど目の前で演奏してるからなんか寝るのも悪くて…
シタールの金属質なキラリンッとした音とダブラのポコポコドューーンみたいな音が眠くなる。

1時間のライブが終わって外はもう真っ暗。
気になってたレストランへ向かうけど見つからなかった。路地裏をうろうろ…アレ?なくなったんかな?

海に面した公園沿いにレストランがたくさん出てて外で食事ができる。
欧米人が多くて、高いんだろうなと思って入ったらカレーが300ルピー(600円)もする。エビやカニのボイルはもっと高い。
フライドライス(120ルピー)を頼むとすごい山盛り、多すぎるよって言ってはくれないよね。

ラッシーを飲みながら、レストランの人がいろいろ話してくる。
明日ゴアに行くつもり、ヒッピーの聖地なんでしょ?
首をかしげてビーチだよって

そっか、インドでは頷くんじゃなくて首を横にかしげるのかも。
最初はあきれられたのかなって思ってたんだけど、これがインドのうんなんだね。

足元に野良犬が来て丸くなる、いつの間にか頭の上は星空になってた。