北京 10月16日
万里の長城は20000kmも続いてる。旅のカップルが真ん中で待ち合わせしたら、女の人が新しい恋人連れてきたってなんかで読んだ。
観光客が多いってきいてた。人が少なくてゆっくりできるのは慕田峪長城ってとこみたい。でも、交通の便がわるくて早めのバスしかないんだって。
北京の東直門バスターミナルで916路のバスに乗って懐柔の街まで、その先は乗り合いタクシーで10kmの山道を登って着くみたい。
バスと地下鉄で東直門駅で降りてうろうろ。バスターミナルなんてないよ…
あれかな?ビルの1階に隠れるように大きなバスターミナル。受付に慕田峪長城への行き方を聞くと調べたとおり916路だよって。
バス乗り場にならんだら整理のおばさんに話しかけられた。
どこ行くの?
慕田峪長城だよ
コッチのバスが速いよ、降りてタクシーに乗り換えて行けばイイから
手を引っ張られて、別のバスに連れて行かれた。運転手と話をするおばさん、このコをどこどこで降ろしてとか言ってんのかな?違うかもだけど。
お金がなくてジュースを買ってお金を崩させられた。そのままチケット買わされて乗せられる。
5番目で降りるんだよ
うん、わかった
何度も念を押された。バスは出発して北京の中心部を抜けて郊外に。
iPhoneで現在地を確認してたんだけど、北京を抜けて高速乗って北へ、あっさり降りる予定だった懐柔を過ぎて、どんどん東へ走ってく。
え?どこ行くの?離れてってる…
そのままバスは20km離れた別の街へ。窓の外、街じゃばんばん花火鳴らしてる。
他のお客さんに聞くと、もう過ぎてるよだって。
車内の路線図を見ると確かに過ぎてる。他の周りのお客さんもいっしょに調べてくれて、違うって。
慌ててバスを降りた。
でも、おばさんに言われた5番目のバス停もこの街の中だし、こんな長城から20km離れた街からタクシー使えってコトだったのかな?
…しばらく道を歩いてると怪しいクルマに声をかけられた。慕田峪長城なら200元(1元=20円)で連れてってくれるらしいけど財布をみるとなんと200元しかない…
入場チケットや帰りの交通費を考えると全然足りない、もしかしたら宿まで帰るのもぎりぎりだよね。
だから、歩いてく、大きな川沿いを数kmぐらい歩いた。
中国は広いなぁ。こんな大通りなのにタクシーもバスも人も通らないね、このままじゃ夕方になっちゃうよ。
別の大通りに出てなんとかタクシーに乗れて長城まで頼んだ。
運転手さん、よくわかってない感じだけど…万里の長城知らないの?でもコッチにはiPhoneのナビがあるし。70元ぐらいで着いてくれないかな…
タクシーは10kmほどのんびり走って懐柔に着いて、さらに山道をぐんぐん登ってく…タクシーのメーターは70元超えてた…お金が心配になってきた、最悪なケースこの山道を数時間歩いて降りるんだろーな…
おばさんの言うコト聞かないで最初から916路にのってればよかった。
慕田峪長城の入場口に着いたらメーターは100元超えてた、コレで財布の残り100元。入場券の45元とシャトルバス利用券15元を取られた。残りは40元に。
悲しくなる。のども渇いて死にそう。40元じゃ水も買えないよ…歩いて降りたら何時間かかるんだろう…
入場口にはカフェやレストランが並んでる、観光客も多くて賑やか。お腹へったよ、朝ごはんをのんびり食べるハズだったのに…お金が80円しかない。
登山口までシャトルバスに乗ってた。ロープウェイなんて贅沢品使えずに汗だくになって階段を登ってった。
すぐ横をスライダーで上から降りる欧米人の悲鳴が聞こえてくる。30分かけて着いたよ…
秋山の澄んだ青空の下、万里の長城はどこまでも続く。
紀元前300年に秦の始皇帝が作らせた長城、司馬遷の史記に長さは万里ってテキトーに書かれててホントに2万kmあったって楽しいよね。
けど、今の私は何もかも帰る方法が気になって楽しめない。もうお金ないし入場口から懐柔までの5里を歩きたくなかった。
長城を歩いてみた。けっこう急登だったりしてつかれた。足元滑らないように気をつける。
こんなの山の上に作ったのたいへんだよね、寝泊りの見張りとかどんな生活だったんだろ。
丘を越えてもさらに続く長城、万里もあるんだから最後なんて辿りつけないことに気付いて歩くのをやめた。石段にすわってると欧米人がどんどん先まで進んでった。コレはホントにどこまでも続くんだから。
秋風が涼しいけど、フリースなんていらなかったな。
そろそろ帰ろっか、階段を滑らないように歩いてって悲鳴の聞こえたスライダーで降りようとすると、なんと80元かかる、財布には40元しかないので階段で降りた。
スライダー楽しそうだったのに…少し木陰で休憩したあとシャトルバスに乗って入場口まで戻った。
ああ、どうしよう、歩いて10kmも下山したくないよ…
どうしようってレストランやカフェの周りをふらふら歩いてたら、乗り合いタクシーのおばさんに話しかけられた。懐柔まで20元だって。財布の中身を見せた。40元しかないし地下鉄とバスにも乗るからって話したら15元にまけてもらった。
やっとコレで帰れる、安心した。
乗り合いタクシーはどんどん山を降りてった。
帰れる安心感でニヤけながら窓の外を眺めてた。途中で他の客を拾ったりしながら、懐柔の916路のバス停についた。
そこからバスに乗って北京まで途中でけっこう渋滞したっけ。北京に着くころにはもう夜になってた。
地下鉄に乗って上地へ、そこからバスで宿の前のバスの車庫まで。
部屋に帰って疲れ切ってしばらく通話してごろごろしてた。
お腹が減ってきたよ。
今日1日何も食べてないよ…財布には3元(60円)しかないし。
宿で両替を聞くけどやってないみたいで、明日銀行が9時からだって。
いろいろ話してると宿の人に君はビートがあるとかって言われた。
ビート?
お茶を沸かしたり、1枚だけ残ってたポテトを食べたりして誤魔化した。
夜中に我慢できなくてコンビニで1.5元の魚肉ソーセージを買った。
めちゃめちゃマズい…
深夜、空腹に耐えられなくて眠れなくてお茶を何杯も飲んでいると夜が更けてった。