北京 10月17日

なんとなく物足りない感じがしてて、なんか潤いみたいなのが足りてない。この街でまだ見てないのが多すぎるからかな?
このまま北京を去るのはよくないって思った。
798芸術区って美術館が気になるし、カフェで気持ちを遊ばせてなかったから。

宿を1日だけ延長して、銀行で100ドルを両替した。中国の両替メンドウだよね、街中にExchangeがあればいいのにな。日本もそうだけど。

昨日はお金がなくて20円の魚肉ソーセージしか食べてなかった。だから、いっぱい食べたくて、地元の人たちで賑わう刀削麺のお店にはいった。
メニューがわからないからテキトーに隣の人が食べてるのを指差した。昨日は水も買えなくてノドもからからに乾いてたから冷蔵庫からペットボトルの緑茶を取った。
緑茶はぜんぶ一気に飲んでた。出てきた刀削麺はとても美味しかったよ。15元だった。

798芸術区へ行きたくて、バスに乗って地下鉄に乗って望京南駅で降りた。さらに離れてた。団地の中を歩いて抜ける、歩道橋で道路を越える、ビルを抜けた先の空間。
そこはまるで文化祭やってるみたい。

 

 

798地区は美術館じゃなくて、その地区のすべてがアートの展示会場になってた。
終わらないトリエンナーレとかビエンナーレみたいなの?
無数のギャラリーや路上アート、カフェやショップ…旧いレンガ造りの工場跡をそのまま残したおしゃれな街になってる。
ギャラリーはひとつひとつは大きくないんだけど全部無料みたいだね。

 

こんな場所があったんだね…歩いてるだけで楽しかった。
最初は閑散とした南側を探索してた。路地裏にイイ感じのオープンカフェを見つけたり、あとで行こ。
レンガ造りの建物、壁を這う蔦や落ち葉…空間から圧力がなくて何か許されてる気がする。

 

 

ショップに細かいドットみたいな街のイラストがあったんだけど3冊の本についてくる特典だった。欲しいけど買えないよね、本は重いから。
バックもかわいいデザイン。麻で出来た伝統ぽい服は繊細で高価だった。茶器の専門店も綺麗だったけど高いなぁ。

 

 

ギャラリーはいろんな場所に隠れてた。旧い工場の小さな階段の2階のドアの奥にもあったり。見つけて潜入する感じが楽しかった。
ギャラリーからギャラリーへ、ドアからドアへ。調子が上がってきて、軽くなってく。
この時間がずっと続けばイイのに。
外で食べたアイスクリーム、めちゃめちゃ美味しかったよ。

 

いつのまにか夕方の6時を過ぎて、ギャラリーがcloseしてった。
あ、ずっと続かないんだ。

カフェでミルクティーをポットで頼む、おいしい…このお店はお客さんも少ないし落ち着く。料理は節約して頼まなかったけど。
ネットに繋げて話してたりした。
もう夜の9時近く?あわてて回りを見渡したら誰もいなくなってた。

地下鉄の駅に向かって歩いた。横断歩道を越えて、汚い食堂街で誰かが怒鳴ってて、団地を越えて…
気がついたら高速道路を歩いてた。

歩いても歩いても出口が見えない。
真横を100km以上でクルマたちがびゅんびゅん走ってる…地面にぼっかり穴が開いてて脚が骨折しそう、真っ暗で足元は見えない。
うぅ…下の道路に降りれないよ…ダメだ戻ろう。

iPhone頼りに道を歩いてた。
どこまでもネオンが続く巨大なデパートが続いてる。みんなにぎやかだな…

 

駅でぼんやり壁の路線図を見てた。
駅員さんにファイナルファイナル!って叫ばれた。
手を引っ張られてホームまで連れてってくれる。
え、9時半に終電?
早すぎ…だけどそれって、きっと働きやすいってコトなんだろうね

10時過ぎに駅に着いたらバスが終わってた。
だからタクシーで帰った。

今日は北京で最高の1日になった、そして北京で最後の日になった。
明日は1500km離れた上海に行けるかな。