北京 10月18日

地図の上に2つの場所があって、それを結ぶ。
結び方はいろいろあって、バスだったり、飛行機だったり。飛行機は点と点でつながってて、バスは紐でつながってる。
景色を眺めながら音楽を聴けるし、それにシートが快適だし窓も広くて何よりも安かった。

北京から上海までの1500kmを陸路で行くには新幹線か夜行列車、夜行バスのどれかになるんだけど、新幹線は速いけど料金が高すぎだし、夜行列車は数日前から予約で埋まってるみたい。
だから夜行バスで行くコトにした。

北京の南にある天桥长途汽车站(天橋長距離バスターミナル)に近づくと、大荷物を持った貧しそうな人たちがちらほら。
バスはどの国でも1番安い交通機関なんだね。

カウンターで上海までのチケットを買った。「窓」って書いて見せたら納得して窓際の席を予約してくれた。だけど、身振りでなんか言ってる、窓際の席に座っても寝るだけだよだって。
深夜発かと思ったら16時発で22時間のバスの旅になりそう。
思ってたより出発が早くてあまり待たなくてよかった。

待ち合いロビーでぼーっとするけど、出発までの4時間ヒマだなぁ…
ターミナルの食堂をのぞいたり、コンビニをうろうろ。マックあたりでwifiにつなぎたいけど重いバックパックを持って歩き回りたくないし。
荷物を預けれる場所があったので預けて外に出た。マックやカフェが見つからない。歩いてて中華に入って頼んだら、コレがおいしいんだけど、めちゃ辛かった。

 

ヒマだったから近くのショッピングモールのエスカレータに乗ってる。全体が古臭いモール。おもちゃ屋が多くて、あとは電化製品や服。
おもちゃ屋の店長ってたいていニコニコしてる。
きっと4時間なんてあっという間。

4時間後、バスに乗り込むとそれは寝台バス。寝台バスってあるんだ、イグアスからリオデジャネイロまでのバスも22時間だったけどシートだった。
寝台バスは初めて、寝台が初めてで鉄道も乗ったコトなかった。
う、ボロくて汚い…
ベッドは2段で3列ならんでた。自分のベッドは上の段だったから、荷物をあげてよじ登る。横になって窓の外を眺めると…あ、横になれて快適かも…ボロいけど。

バスは北京を出て高速道路を走ってて、いつのまにか寝てた。
深夜に止まったパーキングエリア、入り口で30元(600円)の高い食券を買ったんだけど、他の人たちは誰も買ってない。食べないのかな?
給仕のおばさんに渡すと、刑務所みたいな銀色の盆に料理を叩き付けた。量もめちゃめちゃ多い。

座って食べると…うーマズいよぅ…テキトーに作ってもこんなマズくならないと思うんだけど…
記念に2/3ぐらい残した。
周りをみるとカップラーメン買ってる人が多くて、ああ、なるほどね。

しなびた街の灯り、バスに戻ってシーツに身体を潜り込ませる。
エンジンをかけてタイヤの振動が身体に伝わって夜を走り始めてる。寒すぎてフリースをかぶる。ユーラシア大陸を夜行バスの旅。