香港 10月26日

数メートル先に同じ形の窓がずらっと並んでる。窓の向こうでは色んな国の人が下着姿で食事をしていたり、歯を磨いていたり、TVを見てたり…
ここは重慶大厦(チョンキンマンション)、香港で格安のゲストハウスが集まる複合ビル。

ネパール人のスタッフに部屋をシングルに替えてくれるように頼んだら、スタッフと隣の欧米人の客が口論を始めた。
なんかシングルは今日も空かないみたい。ダブルをシングルの値段(200HKD=3000円)で泊まってるから私は別にイイんだけど。

エレベーターがこないから階段を降りてった。死体が転がってても何も感じなさそうな雰囲気、フロアがぐちゃぐちゃに入り組んでて、階段も途中で切れてたりして、迷子になりながら降りてった。
ここどこだろ?気がついたら裏口から出てた。

 

香港の街を歩いた。すぐ近くにビクトリアハーバーがある。
信号を渡って美術館の横を抜けると海の向こうに超高層ビル群が見えた。
あれが香港島…
たくさんの船が湾を通り過ぎてく。
色んな国籍の人がいて、写真を撮ってる人、音楽を聴いてる人、ジョギングしてる人とか。

公園を歩いて階段を上って海とビル群をぼんやりと眺めてると子供にアンケートを取られた。
香港は好きですか?
何しに来たんですか?

 

繁華街へ朝ごはんを食べにいく。と言っても香港は繁華街しかないんだけど。
歩いて見て回るけど高いね、ラーメンが50HKD(750円)とか?
北京や上海は15元(300円)で美味しいラーメンやチャーハン食べれたから、うぐってなる。

1軒の食堂に入って40HKDのモーニングセットを頼んだらラーメンにパンがついてきた。うどんみたいな麺であんまり美味しくない。アイスコーヒーも微妙だった。
周りを見回すと、忙しい香港の雰囲気に慣れてない感じの人がちらほらいて見てて楽しかった。

 

重慶大厦に帰ったら相変わらずインド人に話かけられる。
インドカレーの香辛料の匂いに雑然とした生活感、なんだかわからない怪しいお店、香港で1番多いという両替商。
やっぱり重慶大厦はたのしい。
部屋に戻ったら隣の欧米人は出て行ったそうで、荷物をまとめてシングルに移動させられた。
ブログを書いたり、友達と話したりして時間が過ぎてった。

 

 

九龍に行ってみる。昼過ぎにネイザンロードを北へ。
途中でラーメン屋に入ったけど、やっぱり麺が柔らかくてあまり美味しくなかった。コーラを飲みほす。
モスクを越えて途中から女人街のある通りへ。女人街は路上マーケットで値段交渉して半額以下で買うみたい。
ハンドメイドのアクセとか骨董品とかあればよかったんだけど、似たような既製品ばかりで楽しくなかった。タイの巨大マーケットやブエノスアイレスの骨董市とくらべると小さくて500mぐらい歩いたら終わった…

金魚街ではビニール袋に入れられた金魚や熱帯魚が軒先にいっぱいぶら下げられてる。
お店に入ると水槽の中にたくさんの金魚や魚たち。
無数のサンゴの触手がブラックライトに照らされてネオンのように揺らめいてた。

 

 

 

夜になった。看板が通りに飛び出してて雑踏とネオンが煌びやか。
歩道橋の上からみえた忙しい香港。
香港は2階より上にはあまりレストランとかないみたい。歩いてみつけた2階にあるケンタッキーでコーラを飲んでた。
雑踏をゆっくり進むクルマ、道路を横切る人たち。
あの人はきっとチャイニーズマフィア、目立つ人を見つけては勝手に小さな物語をつくった。

宿までの帰り道、欧米人だらけのバーが集まる区画で迷子になった。物価の高い香港でバーに入ろうとは思わなかった。

部屋にもどって近くのコンビニで買ってきた少し高いチョコと少し高いオレンジジュースで贅沢してた。この部屋に植物を置けば少しは雰囲気が良くなるかなってと思う。
向こうの窓から流れてくるTVの音や食器の洗う音。
ひとつひとつの窓の灯りの向こう、小さなテーブルで食事する黒人、ソファーに横になってる人、頭を拭いてる人。
きっと、自分も同じように窓の向こうの生活にみえるのかな…