ドブロクニク 5月10日
目が覚めるとバスの中。隣の太った人はあまり眠れてなさそう。
休憩所に止まるたびに運転手さんが言葉が通じない私を心配してくれる。
10分間休憩だよーとか。へーきだよ、ありがとう。
深夜にザグレブを出発したバスはクロアチアを南下して早朝にスプリトの街へ着いた。ココからドブロクニクまでアドリア海の景色が続くハズ。ブルガリアでアドリア海のバスが絶景というのを何度か聞いて、絶対にみたいと思うようになってた。ハンガリーのペーチュでもうクロアチアの国境が近いことに気づいて、北のウィーンを目指すのはやめてドブロクニクに行こうって決めた。
スプリトの街、だんだんと明るくなる郊外の高層アパート群が無機質で現代アートみたい。
ここから先はアドリア海。みんなが寝てるバスの中で息を殺して窓の外をみてた。初めてみたアドリア海は霧の向こうにある無彩色の世界で音がしない。走ってきた灰色の巨大な崖を紫色の霧かかってて幻想的。
小さな港町を通り過ぎると、陸側は見上げるような巨大な山脈が続いてて、民家の灯りがぽつんぽつんと山にはりついてる。スケール感すごい、山が大きすぎるんだ。
アンデスをバスで縦断した感覚、あの感覚とにてる。
バスはハンピみたいな小さな岩山の並ぶ広大な田園地帯を越えて、ボスニア・ヘルツェゴビナの国境を抜けた。
ドブロクニクはボスニア・ヘルツェゴビナの中にぽつんとあるクロアチアの領土なんだね、レストラン兼ホテルで休憩のあと、もう1度クロアチアへ入る。
海の街の風景ってすこし解放的でゆるくて好き。しばらくすると大きな真っ白い橋の向こうに巨大な白いフェリーが何隻も停まってる。小さな古い街を想像してたからびっくり。そっか、ここはアドリア海一の観光地、世界中から人が来るんだ。
バスを降りて宿へ向かって歩いた。
宿まで登るのが大変って書かれてた石段はたった150段で問題なかった。最初に紹介された部屋は新しくて綺麗だけど裏部屋って感じで窓がない、別の部屋を紹介してもらったら宿から出て通りに面したカフェの2階。シャワーもついてるし外もみれるからココに決めた。
2泊で98Euroは高いけど、それでもドブロクニクでは一番ぐらいに安い。
シャワーを浴びて下には水着を着て30Kn(450円)を持ってビーチに向かう。
せっかくアドリア海に来たんだから泳いでみたいし、ココから旧市街の向こうのビーチまで4km。歩いて1時間ぐらいかな、せっかくだしドブロクニクを散歩することに。
ミネラルウォーターを8Kn(120円)で買って、バスチケットを2枚買おうとしたら1枚12Knで足りない。1枚だけ買って行きは歩いてくことにした。
ゴアで買ったビーチサンダルでてくてく歩く、バスの通る大通りを抜けて、明るい住宅街を抜けて坂を登っていく。
4kmをサンダルってめっちゃキツい、さっきからハイスピードで通り過ぎるバスが憎い。
ふっと海をみたら写真でみたことがあるドブロクニクの城壁が見えた。
あ…すごい…明日は城壁の内側を探索しようって思った。
Googlemapで見ると目的のビーチのすぐ上ぐらいにいた。狭い階段を降りてビーチへ向かう。
階段を降りて見えてきたのはいっぱいのパラソルとぎっしりと詰まった人間。
うぁ…でもせっかくだし…
欧米人の好きそうなEDMの流れるセレブっぽいバーを通り抜けてビーチに降りた。石が尖ってて足の裏がめちゃめちゃ痛い。砂浜って聞いたんだけど、パウダーじゃないのはしかたないけど。
すこし泳いだけどめちゃめちゃ人が多くて楽しめない。
しかも写真撮ろうとしたらiPhoneが水没してたらしくタッチパネルが反応しないし。
海はもういいやって宿まで戻ることにした。
でもバスターミナルが見つからない。歩いてると気がつかないうちにドブロクニクの城門をくぐってる。
すごい中世みたい!でも、ものすごい数の観光客。
小さな裏道にひとり用のテーブルが並ぶカフェを見つけた。明日はココでカフェしたいな。
そのまま城壁を反対側に抜けて、観光客でごった返すバスターミナルについた。しばらく待って8番のバスで宿に帰った。
シャワーを浴びて海水を流したあと、近くのマーケットでパン1斤、リンゴジュース1ℓ、ミネラルウォーター1.5ℓ、ハム厚さ5cm、パプリカ4つを45Knで買った。
ドブロクニクは物価が日本より高いし、観光客が多すぎてレストランでは食べたくなかった。これは今夜と明日のご飯にするつもり。
昨日は国立公園を1日じゅう歩いてたし、深夜バスで来たからもうへとへとで、気がついたら寝てた。
魔女の宅急便の舞台、ドブロクニクに来たんだっていう気持ちと、そしてどこか落ち着いてしまってる自分。