ウィーン 5月16日

いろいろ話してたらアパートを出たのは15:00過ぎ。

シェーンブルン宮殿までメトロに乗ってると、メトロは地上に出て走り続ける。窓の外、ウィーンを覆う空はくもり、今夜は雨になるかも。

 

駅を出て道路を渡って、どこまでも続きそうな黄色い壁の横を歩いてった。
シェーンブルン宮殿はハプスブルク家の夏の離宮。黄色い壁がとぎれて門につくと、正面の庭が走り出せそうなぐらい広くてびっくり。

 

チケット売り場でGrandTourを16Euroで買った。
チケットにはGateAに行けとか書かれてる、GateAってどこなんだろ?

わからないまま違う方向に歩き出すと戻ってこれなそう。人に聞きながら歩いてて気がついたらGateAに着いてた。

ヘッドホンのついた音声ガイドの機械を渡される。音声ガイドは宮殿を歩いてて、その部屋の番号を押すと部屋にまつわる説明が始まる。そしてその話がすごい楽しかった。ハプスブルク家の家族のひとりひとりの性格がだらしなかったり、その感情的な一生だったり。あと宮殿の部屋の壁を家族が描いてるんだけど、絵がめちゃめちゃ上手くてびっくりした。

ここは会議場、ここはホール、ここは皇帝の仕事場、ここはトイレ、ここは子供部屋…音声ガイドを片手にひろい宮殿をてくてくと歩いて回る。
1時間ぐらい歩き回ってツアーは終了。すごく楽しかった。

今夜、この宮殿で開かれるコンサートの予約をしてるんだけど時間がまだまだある。
ウィーンには奇抜で有名なマンションがあってギャラリーになってるみたい、時間あるし行ってみたい。

メトロに乗って奇抜っていわれるフンデルトヴァッサーハウスへ。

WienMitte(ウィーン駅)で降りててくてく歩いてく、思ってたより駅からかなり離れてる。せっかくだし何かかわいい文房具とかあったら買って行きたいな。
静かな住宅街を抜けて歩いてくと、通りのむこうに何か怪しい建物がみえてきた。
病んでる童話の世界に出てきそうな建物。

カラフルに彩られた階段はぐにゃぐにゃ曲がってるし、壁もぐにゃぐにゃ、床までぐにゃぐにゃ。アパートみたいだね、きっと住んでみたらきっと楽しいだろうな。
通りの反対側も同じようにぐにゃぐにゃになっててカフェになってた。そっと人に気付かれないように階段を登ったり小さな廊下をこっそり歩いたりしてどきどきした。すこし離れたトコにもう1つあるみたい、行ってみようかな。

 

 

数百m離れたもう1つのクンストハウスはもう閉まってた。

まだ今夜の宮殿のコンサートまで時間あるしカフェで休憩していけたらな。

途中のマーケットでジュースと今夜のパスタのジェノペーゼの瓶を買った。駅前のジェラート屋さんでレモンとストロベリーのカップを食べながら少しぼーっとする。ウィーンってなんだか歩きやすい、とても洗練されてるし解放的で気軽な街だなって感じる。

 

メトロに乗ってまたシェーンブルン宮殿へ。駅を出るとすごい土砂降りの雨、街路樹の下を濡れないようにエントランスへ走った。

エントランスの門番にコンサートの場所を聞くと、今きた道を戻って右側にある入り口だって。

また雨の中を走ってもどる。雨がつらいよ…
右側にあったカフェに飛び込んでカウンターのおじさんに聞くと今度は通り過ぎてた。あーもー!ってなりながらまた雨の中を走った。
ここかな?コンサート会場の入り口はまるで通用口みたい、これじゃ誰も気づかないよぅ。

席はほとんど埋まってたけど、ぎりぎりに来たから私の後ろの席には誰もいなくて気持ちがすこし楽。

コンサートは昨日の教会のコンサートみたいにカメラで撮影する人もおしゃべりする人もいないくて音楽に集中できた。オペラの男女の組も出てきて笑いをさそったり、バレエダンサーが出てきたり。あと、途中で休憩があってスパークリングワインが飲んだ。
最後、指揮者がお客さんを右と左に分けて手拍子をさせるんだけど、だんだん手拍子を大きくさせたり、ぴたって止めさせたり。指揮者に合わせて手拍子するのたのしい。

外に出ると雨はやんでた。

アパートに帰ればザッハトルテが冷蔵庫にあったっけ、その前にジェノペーゼでパスタをつくらなきゃ。
これからのことを考えながら街路樹のつづく夜道を歩いてくと、ウィーンの街の雲のむこうに眩しい月が見えた。