サマルカンド 1月9日

朝、人の少ないタシケントの街をてくてく歩く。
すこし霧がかかっていて静かな住宅街。
ウズベキスタンの次はトルクメニスタンなんだけど、日本ではビザが取れない。
だからウズベキスタンで取ろうと思ってた。

目の前のきれいな真っ白い大理石の建物がトルクメニスタン大使館。入り口どこだろ?うろうろしてたら入り口を間違えてしまう。
警備の人に怒られた。なんて冷たい怒り方なんだ…
今まで中央アジアの人は暖かったから、すこしびっくりした。

入り口のノートに名前だけ書く。上から数えたら20番目だった。
これは予約しただけだから、9時過ぎたらまた来なきゃいけない。

 

あと2時間もある。
近くにバザールあった気がする。そこで時間つぶそうかな。
公園を歩いてく。バザール、どこだっけ?
おじいちゃんがやってるカフェを見つけてチャイを飲んで時間つぶし。
ガラスの向こうにみえるバスターミナルでバスが忙しく出入りしてるのが見えた。
ここからサマルカンドに行けるかな?
宿に荷物置きっぱなしになってるし、いまのうち取りに行きたい。はやくサマルカンド行きたい。

宿にもどって荷物をまとめてブレックファーストを食べた。
いい宿だったけど1人には広すぎたかな…
宿の家族とお別れのあいさつ、またね。

 

9時過ぎに大使館にもどれた。
なんとビザは取れなかった。大使館の人がこの時期のトルクメニスタンは毎日がウィークエンドだからって言ってる。
ウィークエンドじゃなくてホリデイ…じゃないの?
毎日がウィークエンドって言葉いいな、積極的に使っていきたいな。
ほかにもビザが取れなかった人が何人かいて、みんなシルクロードを西に向かってる旅人だった。
トルクメニスタンが通れないってことは、どうやって西へ行けばいいんだろ?
いろいろ話してみるとカザフスタンからカスピ海を船で越えるルートがあるみたい。
きっと、なんとかなるよ。

旅人たちとわかれて地下鉄へ。郊外のバスターミナルへ。
バスターミナルに着くと青年が行先を聞いてくる。こういう時ってぼったくりって思うんだけどウズベキスタンやイランだとふつうの親切なことが多くてびっくりする。

もうバスは行っちゃったみたいで乗合タクシーに乗るコトになった。
300km離れたサマルカンドまで、たったの500円。やっすぃ…
4人客が集まってタクシーは走り出す。
美しいタシケントの街を抜けて、風景はだんだんと荒れ地になる。きっとそのうち砂漠になるのかな。

車内ではおしゃべりが始まってる。
何言ってるかわからないけど楽しそう。ときどきカッコいいサングラスのドライバーが英語で話しかけてくる。
後ろから菓子パンがまわってきた。もしかして睡眠薬入り?って緊張するけど、それは私が日本人だから。

岩の丘陵地帯を走る一本の道。岩の壁を抜けると、ぱって視界が開けた。
遠く地平のむこう。あれがサマルカンド?まるでファンタジーの映画みたい。
シルクロードを旅した商人たちもきっと同じ景色を見たのかな。

 

別のタクシーに乗り換えて、サマルカンド市内へ。
舗装されてない荒れ地を、がががーって登ってすごい迫力あった。
ついた場所はレギスタン広場の裏手、すごい…これが1000年前の神学校。唖然とするほどめちゃめちゃデカい。
緊張してしまうけど、今日はみないよ。もったいないから。

路地裏の宿についたらウェルカムドリンクをもらえてびっくり。
眺めのいい2階の部屋、これで1000円。すごく喜んでたら宿の女の子もにこにこ笑ってた。
洗濯、シャワーして部屋に干した。