イスファハン 1月31日

すこし北にあるいたハキームモスクは観光客もいなくて、がらーんとした空間が気持ちよかった。

ちょうどお昼のお祈りの時間だったみたい、どこからか詠唱が聴こえてきた。
モスクの片隅にある部屋から聴こえてるみたい。
その部屋からは女性が出入りしてた。

…イラン初めてのお祈り、やってみようかな。

入り口でスニーカーを脱いで部屋にあがった。
石鹸みたいな小さな石を入り口でもらって、部屋の奥の絨毯の上に置いた。

 

お祈りするときは床に置いた石に額をつけて詠唱、立ち上がって詠唱して、膝を屈めて詠唱、また石に額をつけて詠唱。
コレを何回か繰り返す。

こっそりとムスリムの人たちに混ざってお祈りをするのどきどきする。

聖職者みたいな人が詠唱を終えて、お話を始めた。
ペルシャ語はぜんぜんわかんなかった。
隣の人がいろいろ教えてくれる。テキトーでイイんだよーって。
あ、旅行者だって、ばれてたか…

めちゃめちゃでかいコーランが渡されて、みんなぺらぺらめくってる。
ここから先は何もわからなかったから立ち上がって隣りの人に手をふって部屋を出た。
モスクの広い中庭でステップをふんだ。
すごい気持ちがすっきりしてた。やっぱりお祈りは気持ちがよかった。

 

バザールで工芸品を見て歩く。イマーム広場も唖然とする広さだったけど、北側に広がるバザールも広大。
7kmの長さがあるって、昨日のおじいちゃん言ってたっけ。

歩いてて見つけたラクダの骨でできたネイル入れ、欲しいなーって思ったけど3000円ぐらいする。
うーん、ってお店の前を行ったり来たり。
どうしようかな。
もし日本で買ったら、めっちゃ高そうだし…

お店のおじさんと交渉して2つで4000円にしてもらった。
おじさん、売れたのにぜんぜん嬉しそうじゃない。もしかして値切りすぎたのかも。
ご、ゴメンね…

バザールのすみに天井から光が入る緑溢れるスペースがあって、そこにはかわいいアクセサリーショップが並んでて、それに混ざって小さなカフェが奥にひっそりあった。

うーなんて、きれいな空間なんだろ。wifiつながるし。

いちばん奥のテーブルで出入りする他のお客をぼーっとみてすごす。

 

バザールを北に向かって歩くと洋服とかが売られてる区画にでる。
バザールどこまで続いてるんだろ?
てくてく歩いてると真っ白い食堂を見つけた。
お腹減ったし、食べよ。

メニューはもう一種類しかないって言ってる。
確かに閉店しそうな感じ。まだ夕方だけど。
出てきたのはナンと焼いたひき肉とサラダと玉ねぎ。周りを見てるとみんな手で掴んで食べてる。
マネして手で食べた。うん、ひき肉とナンだね、おいしい。
玉ねぎを齧る、辛いよ…コーラかヨーグルトか聞かれてヨーグルトにした。コレが苦くてすごいマズイ。健康にはよさそうだけど。なんでこんなの飲んでるんだろ?
イランの人たちはコーラが好きで、食堂に行くとコーラが並んでた。あとこのマズイヨーグルト、この2択なのかな?

暗くなってイマーム広場に行ってベンチに座ってるとおじさんがアイスみたいなのを奢ってもらえた。
白い細いシャリシャリしたの、果物なのかな?なんだろ?
食べてると身体が冷えてくる。
なんかLEDでギラギラ光ってるめちゃめちゃ改造した自転車が近づいてくる。
ニコニコしながら押してきたおじいちゃん?え?それ走れるの?

 

ライトアップされたイマーム広場、噴水の周りは涼しかった。

そういえば、旅で腕に巻くバングルが欲しいなーって思ってた。
アクセサリーショップでこんなの欲しい!ってうだうだ言ってたら、小さな石やシルバーの入った木の箱とペンチを渡された。
創ってイイの?って聞いたら、自分で創りなよだって!
店員さん、彼は本職は画家なんだって。

 

ターコイズやメノウ、シルバーをいろいろと組み合わせる。
ターコイズ、ターコイズ、シルバー、メノウ、シルバー…
世界でひとつだけのオリジナルを創りたい。
お店の人に私、邪魔じゃないの?って聞いたら、別にーだって。

順番を替えながらシルバーのラインに通してく。
集中して創ってると周りの音が聞こえなくなった。

深夜が近づいてるからか、周りのお店が少しづつ店じまいをしていってる。
中東の巨大なバザールのかたすみ、大勢の通行人を目のすみにとらえながら、ずっと集中してた。