シーラーズ 2月4日
にぎやかな通りに面した宿には観光客なんて一人もいなかった。
巡礼にきたイランの人たちはとても静かで、その宿は騒がしいシーラーズの街にはめ込まれた1枚の絵みたい。
共同洗面所で見つからないようにこっそり洗濯する。部屋の前のベランダにぽんぽんと干してく。
手すりに寄りかかって通りを見回した。
ここらへんは宿が多いのかもしれない。まだ早朝だけどスクーターが次々と走ってく、前の宿でおじさんが歯を磨いてる、なんかアジアみたい。
なんでか窓からの光が居心地がよくて、紅茶を淹れてベランダでぼーっとしてた。
ごろごろ本を読んだりしてると気がつくと夜。
なんもしないで1日すごすのも悪くないけど、せっかくだから近くのモスクへ歩いてく。
シーラーズの夜の街はとてもにぎやか、近くに立派なホテルがいくつかあった。そういえばいまの部屋はwifiもないし、どっかカフェで繋がないと。
橋を渡った先の塀をぬけるとライトアップされた綺麗なモスクがあった。モスクの名前はアリ・イブン・ハムザ、ヤシの木が生えてて南国の雰囲気。
人も少ないしすごく綺麗でしばらくみてた。
アリ・イブン・ハムザは霊廟に入れる珍しいモスク。
霊廟はいままでのモスクにもあったけど、ムスリムじゃないと入れなかった。
緊張して霊廟に入った。
部屋がすごい輝いてる。
緑の鏡が部屋全面に貼られてて距離感がわからないぐらいキラキラ。どちらかというとギラギラ。
なんかアトラクションに入ったみたい。
しばらく絨毯に座って天井を眺めてた。
夜だったから人もいなくて、しばらくすると静かな気持ちになる。
なんか居心地のいい空間。
聖堂を出るとお菓子をもらえた。
もう夜の22時を越えてた。モスクをでると街はイラン人のカップルであふれてた。
人混みをぬけて歩いてく。帰り道、小さなホテルに入るとwifiが使えた。
奥にある小さなカフェには誰もいない。奥の席にすわって紅茶を飲む。
1杯30円は安すぎない?コーヒーは200円ぐらいするのに。
部屋には不釣り合いなくらい大きな水槽があって、黄色い風船みたいな魚が泳いでる。
ぶっきらぼうなおじいちゃんがチョコを乗せてくれる。
ん、この宿でもよかったかな…
wifiをつないでiPhoneで遠く離れた人たちに連絡をする。
今日おきたこと、モスクが綺麗だったよ。今日は宿でごろごろしてたよ。
日本から遠く離れたイランの古都で、
小さなホテルのカフェの奥のテーブルに座ってiPhoneに日記を書いてる。