シーラーズ 2月5日
ピンクモスクにはもう行った?
朝の30分だけ光が差し込むモスクがあって。
ステンドグラスが赤い絨毯に万華鏡を浮かべて、すごい綺麗だって。
そう言われて、すこし早く起きてモスクに歩いてった。裏道を通ってると通学中の子供たちが走りながら話しかけてくる。走ると話しかけるが同時にできる、その軽快さがイイね。
モスクの入り口は地味な通りの奥。
入ると薔薇が描かれたタイルがいっぱい貼られれてる…広場は広くてどこか女性的な感じがする。
ステンドグラスの部屋に入ったら観光客がいた。しかもかなり。
絨毯に映る光の模様、すごく綺麗だったけど、もしひとりで見れたらもっと最高だったろーな。
旅は感覚をひとりで感じてる時がいちばん多幸感が強いなと思う。誰かといっしょに旅して感覚を共有しても、あまり感覚に夢中になれないことの方が多かったから。
その広い敷地には地下もあった。何百年も前からあるのかな?
なぜかお土産屋さんもあって、らくだの骨の入れ物や細密画が並んでた。お店の人がいろいろ説明してくれる。買わないよって言っても別にいいみたい。あと、シーラーズはイスファハンより安いなって思う。
シャー・チェラーグ廟へ歩いてった。
広くてクルマの通らないぽかーんとした通りに出た。政府機関?なのかな?こういう無人の無機質な空間は好きかも。
シャー・チェラーグ廟はびっくりするほど広くて立派なモスクだった。
観光客もすくなくて巡礼?のムスリムが多い気がする。
小学校の遠足なのかな?小さな子供たちが広場ではしゃいでて先生が大変そう。
観光客だらけのピンクモスクより気持ちがよかった。
部屋の奥を覗いたら棺にキスをしてるのがみえる。あ、この部屋は霊廟なんだね。ムスリムじゃなくても入れるか聞いたらガイドが必要みたい。
シーラーズに巡礼にくる人たちはきっとこっちに来てるんだ…
礼拝所の前で立ち止まってたら、入りなよって声をかけられる。
礼拝所なら大丈夫なのかもしれない。それにしても広い、サッカーとかできそうなぐらい。
その人について歩く。
みんなお祈りしてるとは限らなくて、絨毯でごろごろしながらスマホいじってたりする。
ふふ、ずっと真面目にはできないよね。
石を置いてすこしお祈りをした。
モスクを出るとバザールが広がってた。
売店でドーナツを買ったら、これがめちゃめちゃ美味しい。たった40円ぐらい?おいしい!って言って2つ買ったら、おじさん嬉しそう。
大通りに面したツアー会社で明日ペルセポリスに行く予約をした。
2500年前につくられたペルシャ帝国の都で、シーラーズから数10km離れてる。
なんかメンドくさくなってツアーにしたんだけど…予約をしたら急にわくわくしてきた。
路地裏にある暗くて怪しいお店にはいった。
たまにはこういうお店に勇気をだして入らなきゃ旅じゃない。ぶっきらぼうなおじいちゃんが串焼きを焼いてる。
ひき肉の串焼きにトマト焼きとナン。
うん、美味しかった。
そういえば、街に映画館多いなー。
イラン映画は世界的に有名。このまえ亡くなられたキアロスタミ監督みたいな人生を憂う感じのが多いのかなって思ってた。
ん、コメディもあるんだね。
ドジなふたりが失敗ばかりして女ボスに怒られまくられる、という映画だったけどペルシャ語わかんない。
平日の昼だったから、がらがらだったけど。
遠くからカップルの笑い声が聞こえる…
気が付いたら寝てた。
バスでなんとかっていう有名な公園へ。
歴史のある公園で世界遺産にもなってるんだけど、やっぱり公園は公園。
そして、イランはカップルが多い…そして公園だからみんなイチャついてる。
小さな博物館に逃げるように入った。
しなびた植物とか、乾ききった動物の剥製が置いてある。
うむ…
小さなアトリエがあってみたら作品がすごくよくて。
この人の作品もっとみたいって言ったら、ダブリーズの大学美術館にあるよって教えてくれる。
気持ちがアートっぽくなってて、近くの住宅街にあるアートカフェでコーヒーを飲んだ。
こういうカフェって美大生多い気がする。外見で美大生って決めつけてるけど…
すぐ近くに大学があるからかもしれない。
アートブックやイラストが室内に飾られてた。
コーヒーを飲みながらぺらぺらとページをめくる。
この建物がイベントスペースになってるって言ってた。学生?学びにきたの?ってきかれた。
外にでるとまっくらになってた。
歩いて帰るには遠すぎてバスに乗って帰った。
道は渋滞してた。
窓の外のネオン、なんだか懐かしい気がした。