ヤズド 2月7日

宿の朝ごはんはブュッフェですごく種類があってうれしい。
食べれるうちに食べとこう、たくさん盛り付ける。
牛乳とかなかなか飲めないし、野菜も採っておきたい。ミネラルとかミネラルとかミネラルとか。

ヤズドは1泊しかしない。
夜行でテヘランに行こうと思ってたから、宿でシャワー浴びて、ぎりぎりまでごろごろする。

バックパックを預けて街の探索に出かけた。
駅まで遠いしチケット予約ここでできないかな?っていつもだったら使わないツアーオフィスに入った。
定価とほとんど同じで買えた。
受付の人がすごーくきれいでずっと話してた。

 

ヤズドには迷路みたいな旧市街があって、太陽を避けるために天井がある。
夏は40℃ぐらいになるって言ってた。

旧市街を歩いてるとアクセのデザインがすごくイイなって気づいた。伝統的なデザインじゃなくて個人アーティストが創ってる感じ。
余裕があったら買いたかったな…

この街はレンガが漆喰で塗られてて、建物がぬるっとした曲線でかわいい。
黄土色の曲線で造られた建物と雲ひとつない青空のコントラストが異世界みたい。

 

カフェに入ってwifiにつないだ。
伝統的なカフェは天井が高くて、部屋中に陶器や観葉植物が飾られててすごく綺麗。
ひとり欧米人がノートにポチポチ打ち込んでる。
ヤズドはいままで行った街でもお洒落な街だった。こんなカフェがあるんだったらもっと泊まればよかった。

カフェは屋上まで登れた。
狭い階段を登ってくと、土でできた塔が街の向こうまで水平に並んでた。
またぜったい来ようと確信。

旧市街は歩いてるだけで楽しい。
路地裏をぐるぐる行ったり来たり。小さなお店に入ってアクセをみたり。
いままで歩いた街のなかでもいちばんくらいに雰囲気あるかも。

 

お腹が減ったし歩いて食べれるとこ探した。
うろうろして見つけたのは乾麺?とピザ?みたいなお店。男の人にコレとコレって指さしたら待ってねーって。
けっこう待った…
でも、おいしかったよ、ボリュームもあって。

がんばれば、沈黙の塔も行けるかな。
郊外にあるゾロアスター教のお墓で、最近まで鳥葬に使われてたんだって。何より名前がカッコいい。Tower of silence.

日本で流されてるイメージと違ってイランは多宗教な国だった。
イスファハンではアルメニア正教の人たちに会ったし、ヤズドにはゾロアスター教の人たちがいる。
行ってみないとホントの姿はみえない国があって、とくに日本でネガティブなイメージが流されてるときは、それを真に受けない方がイイって思った。

タクシーで郊外へ。太ったメガネのドライバーはかなり安くしてくれた。
でも、けっこう遠いね。

荒れ地に立つ山?こういうのスターウォーズで見たことがある。
あと1時間で閉まるよーって言われて、う、ってなったけど、頑張って登ろう。

沈黙の塔、2つあるのかな?
低い方は上までまっすぐに階段が伸びてた。
高い方は道が荒れてる気がする。

 

もちろん高い方を登り始めた。
崖みたいになってる場所もあって滑ったら土まみれになりそう。
息切れる…

振り返ると夕刻の郊外の住宅街が広がってる。
小さいころ見たことあるような風景、親戚の家の団地だっけ?きっとぜんぜん違うのに、なんでそう感じたんだろ?

登りきった。山の頂上は窪んでたけど期待したような骸骨や髑髏はなかった。
前はあったのかもしれない。

誰もいなかった。
みんな低いほうに登ってるのかな…でも景色を独占できてよかった。
太陽の落ちたヤズドの街。たくさんの街の灯り、きっとみんな夕ご飯を創ってるんだね。

日が落ちて降りてると、真っ暗な中をマウンテンバイクで走り回ってる人たちがいた。周りに誰もいなかったから、すこし怖くて急いで降りた。

 

バザールまでタクシーで戻った。
歩いてると2階に素敵なカフェがあったから、街をぼんやり眺めてた。
もっとこの街にいたかったな。

宿にバックパックを取りに戻った。
出発まで宿の人たちといろいろ話してた。

忍者って?
スパイかな
ヘイリーマムヌーンってなんて言うの?
ありがとうだよ
日本のTAXはどれくらい?
20…ぐらい?
イランのイメージは?
人が信頼しあってる
日本は若者の貧困がすごいよ
イランもそうだよ、経済封鎖でインフレだし
なんで日本人は自殺するの?
いまでも切腹してるよ

イランの人たちは政治の話が好き。
話してると日本よりぜんぜん保守的じゃなくて、どちらかというと欧米人に感覚が近い。

深夜まで、夜行列車の時間まで、何時間もずっと話してた。
最後にお別れ、ホントに好きな宿だったんだよ。
またぜったいに来るから。

夜行列車に乗ったら、車掌さんがお菓子とかバナナとかコーヒーを作ってくれる。

今日1日、多幸感がすごくて、きっとあとでつらい気持ちになるね。
だから、ぜったい戻ってくるよ。

寝台に上がって目を閉じると線路から伝わる重い振動が気持ちよかった。
3000年前から続く古都ヤズド。
言葉の意味は「清らか」。