ラホール 12月24日
灰色の空に高架線が浮いてる。コンクリートのそれは街の向こうまでずっと続いてた。
エスカレーターで上がってコインのチケットを30rpで買った。
高架線の上を赤いバスがやってくる。
鉄道が走ってるのかと思ってたけども、バスが走ったっていいよね。
街の北の公園までのっていった。
公園の近くはゴミが路上に散らかってた。この公園は世界遺産だったはずだけども。
入口は何処?その老人はずっと遠くを指さす。
空で舞ってたのはカラスじゃなくて鷹だった。鷹が電線に並んでる。
ひときわ大きな鷲が王様みたいにゆっくり灰色の空を飛んでた。
公園の中で声をかけられた。ガイドだって?お金要求される?
身構えたけど公園のことをいろいろ教えてくれる。別にお金は要求されなかった。
ここはインドじゃなくてパキスタン。
焚き火をしてる人たちに誘われてチャイを飲んだ。
いろんなことを話した。日本のこととかも。
パキスタンはおもてなしの国で歩いてるだけで声をかけられる。そしてマサラチャイをご馳走になる。
だから、いろいろ話して写真を撮ったり。
あっという間にwhat’supがいっぱいになってく。
世界遺産の赤いモスクは霧のむこうにぼんやりと姿がみえた。
広大な中庭に静かに建ってて、インドの観光地化されてるモスクなんかより幻想的だった。
靴を脱いで歩く。冷たい石が裸足にぴたぴたとふれる。
パキスタン人はジョークを言う。こいつは友達のマイケルだよ。こいつはダニーだよ。こいつはファットだよ。
ねえ、アメリカ人、じゃないよね。
モスクでお祈りをする。遠く向こうに灰色の塔がみえた。
スナックを食べてチャイを飲んで、豆のフルーツを食べる。
モスクからみえた灰色の塔まで歩いた。
塔はぐるっと周囲を鉄条網で囲まれてた。銃を持った兵士が椅子に座って、うとうと。
鉄条網と銃、殺されるってことだよ。
あっちのストリートで音楽とダンスやってるよ
ちいさなモスクでおじさんがそういったけど、どこなのかよく分からなかった。
ホントにそんな通りあるのかな?
子供がモスクで働いてる。パキスタンはとても真面目な国だよ。
露店でsimカードは買えなかったから買えるショップを探してる。
クルマをよけながら雑踏をずっと歩いてたら足の裏が痛くなってきた。靴を脱いだら靴下が血塗れになってる。
いててって言いながら雑踏を歩く。
きれいなオフィスでsimカードを買おうとしたら、そのショップの人は私をバイクの後ろに乗せて本店に連れてった。
パリッとスーツを着た上司がsimカードを作ってくれる。
Googlemapをみたら、いつのまにか宿の近くにもどってる。バイクで送ってくれるって言われたけども、カフェ行きたかったから断った。
彼とは今でも連絡をとりあってる。
宿の近くのカフェはすこし高くて、騒がしいラホールでもすこしゆっくりできる。
窓の外が真っ暗になっても日記を書いてた。