クエッタ 1月4日
バリン!って大きな音がした。
何が起きたかわからなかったけども、床一面にガラスの破片が飛び散ってた。
キラキラとガラスの欠片が20㎝くらい離れてぽつぽつと落ちてる。
なんでくっつかないんだろう?
周りの人たちが車内のカーテンをあわてて閉めるのをぼんやりとみてた。
アッて思って血が出てないか頬をさわってみた。
バルチスタン共和国はパキスタンとイランの境にあって反政府組織の活動がさかん。とっても治安がわるい。
そういえばこの地域に入ってから子供たちが列車に手を振らなくなった気がする。
さっきは列車に石を投げられたのかな。
クエッタの駅についたら警察の保護下にはいる。
そういえばラホールで会ったフランス人がバルチスタンでは24時間ポリスがぴったり付いてくるって言ってたような…
ふーんって感じで軽く聞いてたけども、このことだったんだ。
パトカーの荷台に乗ってホテルまで走る。
泊まるホテルも決まってて2500ルピーもした。しかもポリスと一緒じゃないとホテルから出れないっていってる。
呼んでもポリスはなかなか来なそうだし、めんどくさいからホテルから出なくなった。
ホテルの食事は倍の値段だったから意地で食べなかった。
明日NOCっていうパーミッションを取らなきゃいけないみたい。警察の保護を受けるためのパーミッションらしいけども。
そんなのいらないから、ほっといてほしかった。
イラン国境のタフタンに行けるのは明後日、ということは3日間の軟禁になる。
自由だから旅なのに…自分の安全ことよりも自由じゃないことの方が気になった。
次の日ホテルから走って逃げた。
外でローカルなご飯を食べてもどったらホテルのスタッフにめちゃめちゃ怒られてパスポートを没収された。
返せって言っても返してくれない。
でもその食堂でパキスタンの高校生と仲良くなったし、今でも連絡を取りあえてるから抜け出してよかった。