タフタン 1月5日
この2日間、ずっとポリスといっしょだった。
パキスタンの西のバルチスタン地方。反政府武装勢力が頑張ってていろいろ危険みたい。
だから宿も指定で高い食事を食べなきゃいけないし、バスのチケット買いに行くのもポリスといっしょでストレスが溜まる。
貴重な経験をしてる…のかもしれないけども、日本にいても経験できないことを経験してても。目の前で起きたら、それはリアルな感覚に塗りつぶされる。すごい寒いし部屋いきたいな…とか…
TVでみてる非日常は客観でも、リアルだと感覚で味わうから。
クエッタの街を離れて西のタフタンへ。
バスに乗ってやっと自由になれたと思った。が、窓の外をみるとポリスのバイクがずっと横を並走してた。
どこまでも続く荒野は地平線の向こうまで続いてた。
チェックポイントのたびに降ろされてパスポートとNOCをチェックされる。
自分1人のせいでバスは止まる。他の乗客の迷惑だなって肩身が狭くなった。
日が落ちて急激に寒くなった。
うとうとしてたらポリスに起こされてチェックされる。
バスを降りてヘッドライトが照らす検問の小屋に半分寝ながら歩いてく。ショールを巻いてても冬の夜のパキスタンは凍るくらい寒かった。
パキスタンとアフガニスタンの山間部、見上げると満天の星空。
国境の街、タフタンに着いたのは深夜。
トラックの後ろに乗って警察署まで連れてかれる。
ポリスは床にカラシニコフを無造作に置いた。そのままどっかに行っちゃう。
これ私が取ったらどうなんだろ?
床にマットをひいた。ポリスはすこし離れたとこにマットを広げる。
その日は警察署でポリスと床に寝た。