リスボン 2月13日
暗闇に黄色がうすく広がってきて太陽が出現するんだってわかった。
太陽は巨大なのに遠すぎて小さな点にしかみえないけど、その小さな点が世界を明るくしていく。
空は、黄色から青に、静かにグラデーションになってた。
飛行機はアフリカからヨーロッパにもどってきてた。
リスボンについたときは朝の7時で、空港で朝ごはん食べたかったけど気持ちの身動きがとれなくて、そのままメトロにのった。
メトロの駅には海にちなんだ名前が多い気がする。
AeroportoからAlamedaまでレッドライン
AlamedaからBaixaChiadoまでグリーンライン
リスボンの街は坂道だらけ。
隣の通りと階段で結ばれてる。
チェックインまで時間があったから、レセプションにバックパックを置いて街を歩いた。
マックとかスタバとかはポルトガルにもあるんだけども看板は目立たない濃いグリーン。それが物静かなポルトガルにはぴったりな気がする。
歩いてみつけた小さなローカルのカフェは暗くてTVがついてた。
クロワッサンとコーヒー。遅い朝ごはん。
リスボンの港には大きな記念碑があって道がのびてた。道は海に向かって続いててそのまま海に飲み込まれてた。
船が進水するときに使ったのかも。
きっと中世の時代、きっとココから帆船が海に出て行ったんだ。
ポルトガルの人たちにとって大航海時代って今とつながってるのかな。
そのあとバスに乗って世界遺産の教会をみた。
現代美術館ではモノトーンの写真をみた。
1Euroのコーヒーを飲みながら美術書を読んだ。
スタバでつまらないSFを読んだ。
気がついたらチェックインの時間を過ぎて夜になってた。
バスにのって夜の街を走ってく。
宿のベッドで南京虫をみつけたら大騒ぎになって部屋をかえてもらった。
いっしょにいたスペイン人はあわてて宿を出て行った。
誰もいなくなった部屋でベッドの灯りを全部つけた。南京虫は明かりを避けるから。
寝たら刺されそう。
刺されるくらいなら寝ない。真っ暗い早朝にバスに乗って北へいくから、あと数時間。
深夜の宿、真っ白いシーツの上で膝をかかえてた。