アリアバード 7月6日

ギルギットまでの道はすごく寒い。
前に来た時はすきま風がびゅうびゅう吹き込むボロバスで、寒さで凍えながら眠れなかった。
ずっと窓の外の真っ黒い山々を眺めてて、朝に差し込む太陽に感動したっけ…

私を乗せたバンがラワールピンディを出発したのは昨日の夕方。
夜が明けて
明るくなってもまだ走ってる。
今回も寒かったけど、バンだったからすこしあったかかった。
緑の丘陵地帯を越えてく。
すごく綺麗な景色だったけど、どこにも泊まれそうな町や村はなかった。
4000mの峠をこえた。雪がふってた。

バンは家族が運営してるのかな?小さな子供が乗ってた。彼はとても人懐っこくてたくましい。
私はいちばん前の眺めのいい席だったから、少年に席をかわってって何度も言われた。(私だって景色がみたい、かわらなかったけどw)
峠のカフェで寒いって言ったら、家族が毛布を貸してくれた。彼らといっしょに毛布にくるまって食事をした。

パキスタンの高原地帯は農家が多くてみな貧しいらしい。でも都会の貧しさと違って彼らからは惨めさを感じなかった。
山岳地帯は自給自足率が高くて遊牧をしてる人も多いとか。
大家族で村をつくり、貧富の格差もほとんどなく、犯罪もほぼゼロだっていう。

バンは調子がわるくてギルギットに着いたのは昼過ぎだった。
ギルギットで宿泊してもよかったけど、そのままフンザまでのバンに乗った。
ギルギットからフンザまでは2時間ほど。
フンザは南のアリアバードと北のカリマバードに別れてて、観光名所はカリマバードの集まってた。
私はよくわからなくて手前のアリアバードの街で降りてしまった。

涼しい。
パキスタンの夏は平地は40℃を超える。でも3000mを越えたパミール高原にあるフンザはとても涼しかった。
フンザは旅人の桃源郷って言われてる。
景色が素晴らしいのはもちろん、人も親切でやさしかった。

歩いてると「コショーおじさんの宿」って書いてある。なんと日本語なのです…
コショーおじさんは英語がペラペラなのだが日本語は話せない。ただ日本人の旅行者に人気があってコショーおじさんって呼ばれてたみたい。
話してると落ち着いて丁寧なお爺ちゃんで好かれるのもわかる気がする。
テントしか泊まれない宿らしくて疲れてたのもあって他の宿を探すことにした。でも、テント、ものすごい安かったけどもw500円もしなかったと思う。

そのまま坂道をのぼって宿をみつけた。
Shangri-La Resort GOHO Roomsって宿。めっちゃ綺麗で豪華なベッド。一面のガラス張りでアリアバードの街が見下ろせる。
高いだろうなって思ったけどお爺ちゃんが一人で運営してて2500Rpにしてくれた。

夜に食事のために街へ降りてった。
帰りに部屋で食べるためのお菓子とジュースを買っていった。