アリアバード 8月20日
アリアバードという街にいます。
パキスタン北部のヒマラヤの山岳地帯。
ここらへんには1974年までフンザ王国ってちいさな王国があったとか…
その王国の首都がカリマバードで、アリアバードはその隣の街。
日本人にはフンザっていわれてて、旅する人には桃源郷っていわれてる。
フンザは風の谷のナウシカのモデルになったっていわれてて
だけど、今は絶賛ホテル乱立中。
星をみに宿の屋上に上ると、遠くの丘の上に立派なホテルがキラキラと輝いてる。
街全体が停電していて真っ暗になってても彼らのライトは消えなかった。
一泊10000円とかするそう。タイの企業が作ったんだっていう。そんなホテルがフンザにいくつも建設されてて、泊まるのはパキスタンの富裕層とか海外から来た富裕層みたい。
コショーおじさんが嘆いてた。ローカルの静かな雰囲気が壊れてしまうって。
時々、彼のカフェに行ってお話する。
相手のペースに合わせたゆっくりした会話は気持ちよくて疲れないから。
フンザには開発を嫌う人たちもいて、シムーシャルの村の人たちは道路の開発を拒んでいるとか。
でも、好きだったチプーサンの村のお爺ちゃんは道路ができることを心待ちにしてた。
きっと、そういう人のほうが多いだろうなって思う。
パキスタンには多くの文化が散らばってて。
フンザの北の人たちは公共のウルドゥー語とローカルのワヒ語を話して、小学校では英会話を学んでる。
小学生が3か国語を話してるのは見ててびっくりする。発音もすごい流暢で、インドみたいに変な訛りがないから、びっくりする。
だから、言葉の壁もなさそう。
そんなフンザがコロナがおわって観光地に変わってしまうのは当たり前なのかも。
アリアバードを拠点にして6週間たってた。
ソスト、チプーサン、パスー、シムーシャル…いくつかの街や村を行ったり来たり。
いつもなら、1つの場所にずっといると自己嫌悪になる。そして次の旅をはじめる。
こんなに長く居たのは初めてで、それなのにまだ居心地がいい。
それは気楽に会える人たちが何人かできたからかな?って思う。
いつものレストランであいさつして、いつものアイスクリーム屋さんでアイスを食べる。
旅なのに変化のない生活してる。
ここの人たちは柔らかくて、とても個人的で、物静かで、時間が止まってる感じ。
私は、フンザがこのまま時間が止まってたらって思う。