モルフォン 10月2日
イフラックの親戚の子供たちがボイバルまで連れてってくれるそう。
ボイバルは前回に来た時に道が崩れててあきらめた村。
でもモルフォンからそんなに離れてないし、簡単だと思ってた。
連れてってくれるのはネザルモホメッドとパファードのふたり。
ネザルマホメッドは真面目で短気そう、パファードは飄々としていて悪ガキっぽかった。
モルフォンの村を上まで上がって、森の中の小道を進んでいく。
この道、まえも通ったなって思う。
3人でしゃべりながら森を進んで川沿いの崖を進んでく。
そして川を越えることになった。
川を越える?
ふたりは激流の川のあいだの岩を飛び移っていく。
え?ってなった。
10月のパミール高原は寒い。岩は濡れてるし、岩ですべって川に落ちたらたいへんなことになるよね。
それに岩と岩のあいだって1m以上離れてるよね…
飛べない距離じゃないけど…
エイヤッで飛び越えた。
飛び越えたらなんかすごい達成感がある。
パファードが経験、経験って笑いながら言う。なんだかすごい褒められた気がする…うれしい
聞いたところによるとパファードは何度も川に落ちてるみたい。
次も川をわたることになったけど、岩の間が広かったから靴と靴下を脱いで3人で超冷たい水の中をジャブジャブと歩いてわたった。
ボイバル行くのぜんぜん簡単じゃないじゃん。。。

オブガルチっていう小さな村に入った。
こんな苦労して村まで来なきゃいけないの?驚いたことに小さな小屋にお婆ちゃんと若い人が休んでた。
お婆ちゃんも岩を飛び越えてきたの?ウソでしょ?
実はもっとふつうのルートがあるけどパファードがおもしろいからって川を越えるルートにしたみたい。
悪ガキだなあって思って笑った。
パンを食べさせてもらったんだけど、オレンジ色の液体が置いてある。
アプリコットオイルなんだって
アプリコットから絞り出されたオイル、濃厚な味がしました。

ボイバルの村には人がいなかった。
ネザルモホメッドとパファードの2人は薪を集めて火をおこす。
3人でカップラーメンを食べた。
めっちゃ辛いスープが残ったんだけど、私が残したそれを2人は飲んでしまった。
帰り道、予定より時間がかなり遅くなったみたいでネザルモホメッドがパファードに怒ってた。
きっとルートのことを怒ったんだなって思う。
ネザルモホメッドは真面目だが短気だった。
モルフォンに帰り着くころには真っ暗になってた。
ラオスで買ったデッキシューズはボロボロに破けてた。

