ホルゴス 1月7日
朝の5時半。
真っ暗なドミトリーで音を立てないようにして荷物をまとめた。
ドミトリーを出ると外も真っ暗だった。
大通りまで歩いてく。
寒さで凍りそう。
真っ暗い夜道を1台のクルマが眩しくヘッドライトを輝かせてくる。そのクルマは私の前に停まる。私はそのバスに乗った。
サイランバスターミナルで降りた。
きのうアルマトイから中国国境の街ホルゴスまでのバスチケットを買ってた。
朝7時出発、一日一便しかなくて10000Kzt。
烏魯木斉までは25000Kztだったけど、ゆっくり旅したかったし安かったからホルゴスまでのチケットを買った。
きのう会ったおっさんがバスまで先導する。
バスはアルマトイの街を走り出す。
カザフスタンはあんまり楽しくなかったなって思う。こういうのは運なんだろうけど…
街を離れると窓の外はあっというまに雪原になる。
地平線のむこうまで雪と白い樹木が続いてて、きっとシベリア鉄道もこんな感じなのかな?って思った。
前の席の中国人のおじさんが顔を左右に振ってる。左右の景色を見くらべてるのかな?
ずっと首を振り続けてて壊れたロボットみたい。
横の女子と顔を見合わせて笑った。
そして雪原はいつまでも続いてて退屈だった。

何時間も続いた雪原はとつぜん終わり、雪原のむこうにビル群があらわれる。
こんな世界の果てみたいな大地に大都市?
あれがホルゴス。カザフスタン側は小さな村で、大都市は中国側だった。
国境を越えるのは異常に時間がかかった。
バス単位で国境を越えてるみたいで、もしかしたら歩いて国境は越えられないのかも?
そして例のように中国側の国境で別室送りになった。
別室から出た私はまずsimカードを買った。
そして中国にはいった。
ふりかえる、巨大な国境の建物におどろく。
そして目の前はどこまでも続く高層アパート。
道端で両替ができたのですべてのカザフスタンテンゲを中国元に替えた。

すぐ前に駅があったから烏魯木斉まで行くこともできたけど、この国境の街に滞在してみたくなった。
街の中心は国境から北に4kmほど離れてる。
歩いてむかう。けっこう遠い。
Amapは持ってたしsimカードもあるのだから、市内のバスに乗ればよかったんだけど…その時は気がつかなかった。
街の中心部にあるギラギラと輝く薄汚いホテルに入ったのは暗くなってから。
中国の街は煌びやか。
通りは派手なネオンで装飾されて音楽が鳴り響いている。
なんと夜市まで開かれてる。
ここは何もないカザフスタンと中国との国境じゃないの?なんでこんなにぎやかなんだろう?
そういえば、きのうの夜から何も食べてなかったっけ…
ひさしぶりに食べた中華…麻婆豆腐がめちゃめちゃ美味しくて口に無理やり詰め込んだ。
道端で充電のアダプターを買ったら200wって書いてある…なんだかすごそう。
路地裏の小さな電気屋さんでスマホのVPNをお願いした。
おっさんの店長が「彼女がやる」って言って奥からヤサグレた感じの女子が出てきて、バババッて設定してくれた。
このアプリはタダだし…って彼女はお金を受け取らなかった。
なんだか路地裏SF漫画の世界みたい。
夜市で売ってるものはどれも安くてみてて楽しかった。
キラキラと輝くネオンとにぎやかな音楽。
よくしゃべってよく笑う人たち。
もう中国なんだなって思う。
そして、ここが中央アジアの大地だということを忘れさせてしまう。


